Minato's memo

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アイスダンス:フリーダンス

フリーダンスは女子シングルSPの合間にやるという、通常の競技進行を考えるとちょっと失礼な感じ。決勝種目はいい時間にやるもんだと思うんですけどね。女子の審判も大変だと思いますし。

この日は過去のアイスダンスチャンピオンが貴賓席にて観戦。名前言われてもさっぱり分かりませんでした(懺悔)

 【グループ1】

 Katherine COPELY/Deividas STAGNIUNAS(LTU)
「Kalinka - Russian folk music」

民族衣装に身を包んだ可愛らしい「カリンカ」でした。OD、FDともPBということで今の力はきちんと出せた競技会だったのかなと思います。
TES41.35 PCS26.95  計68.30 PB

 Grethe GRUNBERG/Kristian RAND(EST)
「Selection of Operettas by E. Kalman」

サーモンピンクの衣装が清楚で可愛いです。ワルツのリズム感というか音の取り方が少し甘いかな?今後が本当楽しみです。
TES45.36 PCS27.34  計72.70 PB

 Olga AKIMOVA/Alexander SHAKALOV(UZB)
「恋のアランフェス」

曲の盛り上がりに滑りが合ってませんでした。
TES40.78 PCS25.17  計64.95

 Kaitlyn WEAVER/Andrew POJE(CAN)
「One Fine Day from "Madame Butterfly"」

「マダム・バタフライ」のモダンアレンジ。本来日本情緒のたおやかな演技が欲しいとこですが、モダンアレンジなので硬質なシャープな演技に仕上がっていたかと思います。演技後客席にやってきた姿をみたのですが女性顔小さい!
TES43.93 PCS27.87  計71.80

 【グループ2】

 Xintong HUANG/Xun ZHENG(CHN)
「ハーレム」

衣装の色遣いが綺麗です。センスありますね。ホールドの仕方が少し雑。技術的にもシンプルですし「ハーレム」という曲を考えるともう少し色っぽくやって欲しいな。解説によるとアジア大会では会場の後押しもありスケールの大きな演技となって、それが渡辺・木戸組に迫った印象を与えたそうです。
TES41.12 PCS27.80  計68.92

 Nelli ZHIGANSHINA/Alexander GAZSI(GER)
「Sandunga」他

ノリの良い曲を使い、スピード感いっぱい、クイックステップ満載のエネルギッシュな演技だったと思います。衣装素敵。
TES42.73 PCS29.19  計71.92 PB

 Anastasia GREBENKINA/Vazgen AZROJAN(ARM)
G線上のアリア

ステップでミスがありました。曲のつなぎもちょっと。NHK杯で見た時の柔らかさが薄れていた印象です。
TES40.37 PCS27.80 67.17

 Nozomi WATANABE/Akiyuki KIDO(JPN)
「幻想即興曲

日本選手の中で関係者が一番熱かったのは実はこの組だったのかな。TV解説によると「木戸君が泣くんじゃないかという厳しいダメだし」「曲の変更を考えた」「アジア大会で客席がシーンとした」等々・・・。でも精度を上げてシェイプされた、いい演技だったと思います。演技終了後の木戸選手の涙にもらい泣き。お疲れさまでした。今までの日本アイスダンスの演技の中でも一番感情移入した組となりました。
TES45.07 PCS31.41 76.48

 Anna ZADOROZHNIUK/Sergei VERBILLO(UKR)
ドラリオン
身体のラインの出し方が綺麗ですが、滑りのスピード感が少しない感じがしました。基礎のスケーティングスキルの低いのが弱点みたいです。
TES42.55 PCS30.82 73.37

 【グループ3】
Kristin FRASER/Igor LUKANIN(AZE)
「Caribbean Guitar」

洗練されたデュシネイ姉弟という印象の演技でした。ラストのターンのスピードがなかったです。(タイムオーバー)ジプシー音楽の泥臭さ、強さみたいのがもっと欲しい気がします。
TES43.79 PCS33.11 75.90

 Sinead KERR/John KERR(GBR)
ラスト・オブ・モヒカン

細かなミスはありましたがアピール力の高い演技。荒削りながらいい味という内容だったと思います。
TES45.84 PCS37.70 83.54

 Anna CAPPELLINI/Luca LANOTTE(ITA)
「I've Got Rhythm」

シンプルな見た目ですがすごい大胆な衣装(笑)演技が後半になるにつれて良くなっています。センスもあるし、面白い組です。
TES47.40 PCS34.92 82.32 PB

 Alexandra ZARETSKI/Roman ZARETSKI(ISR)
カルミナ・ブラーナ

VTRで見るとそうでもないですが現地で見た時「良くないな」という印象だけでした。曲の荘厳さに衣装や演技、髪型などが合ってなくてトータル的にちょっとな感じだったのかもです。
TES44.59 PCS33.97 78.56

 Nathalie PECHALAT/Fabian BOURZAT(FRA)
「Four Seasons by Assen Merzouki」

オリジナル曲らしいです。重厚感が好まれがちなとこで今回のフリー、ファンタジックな可愛らしさはかなりチャレンジャーです。でもきちんとハマっていて良い演技だったと思います。
TES48.69 PCS35.67 84.36 PB

 【グループ4】
Jana KHOKHLOVA/Sergei NOVITSKI(RUS)
「恋のアランフェス」

やっぱりちょっと変わってます。スペイン楽曲が何故アラビアンテイストになるのかが不思議なのですが(笑)女性の身体の柔らかさを活かした演技はやはり眼福。
TES47.72 PCS41.37 89.09

 Federica FAIELLA/Massimo SCALI(ITA)
「Pantera en Liberta」

リズム音楽主体。にしては衣装がちょっと違う感じがします。衣装だけなら少しアラビアな感じがしますから。コンセプトを外さなければもっと上位にくる力はあると思うので総合順位を落としたという事はいい出来ではなかったのかな。ユーロで逆リフトに失敗してISUから非公式に禁止の通達を受けたそうです。演技構成を変えた影響が出たみたいです。
TES44.96 PCS39.18 84.14

 Melissa GREGORY/Denis PETUKHOV(USA)
「Preliator by Yoav Goren」他

前の衣装はダメだし?白の幻想性を感じさせる衣装。少し技術的にスキがありますね。アピール力はあります。
TES47.86 PCS38.24 86.10

 Tessa VIRTUE/Scott MOIR(CAN)
「悲しきワルツ」

若いカップルなのにシンプルな美しさの出し方を既に知っている組です。それでいて技術力は確かなものが。ユーロ勢のゴージャス感との戦い方にはもう少し研究が必要ですが、今回の試合でアイスダンスは勢力図が変わってきているので技術が確かなら来季以降はこの路線でも楽に点が出てくると思います。
TES52.27 PCS43.11 95.38 PB

 Meryl DAVIS/Charlie WHITE(USA)
ダッタン人の踊り

この組はもう、ツイズルが見られればいいや(笑)技術的にはやはり素晴らしいですが、ヴァーチュ&モア組よりやや表現力が乏しくてプログラム演出力としてはまだまだ。でもスピーディで若さいっぱいの演技は好印象です
TES51.00 PCS42.17 92.17 PB

 【グループ5】
グループ4〜5の間に製氷が入りました。その間客席で見ていたジュベールのサイン会になっていました(笑)

 Marie-France DUBREUIL/Patrice LAUZON(CAN)
「At Last」

この路線をやらせたら世界一でしょう。古き良き映画のワンシーンを思わせるムーディな大人なプログラム。振付がウイルソンになって演出的にも一段上がった感じがします。ツイズルに不安有りますが他の技術は本当素晴らしいです。
TES52.54 PCS48.42 100.96

 Tanith BELBIN/Benjamin AGOSTO(USA)
アメリ

アゴストの力技でどうにか持ちこたえましたが、来季以降ベルビンがきちんとトレーニングしてこないと他のチームに喰われてしまうかという印象を与えました。このフリーは綺麗な印象の曲でそういった意味ではこのカップルとしては新境地なのですが大人のカップルが持つ深い叙情性というとこもなく、そのあたりでも課題を残したかなと思います。ベルビンの方は体調を崩して痩せたみたいです。
TES50.61 PCS46.80 96.41

 Isabelle DELOBEL/Olivier SCHOENFELDER(FRA)
アンタッチャブル

これは選曲をやっちゃったかなと思いました(笑)フリーダンス3位だったのですが、選曲がはまっていれば台に届いたんじゃないかな。演技的な勢いというかハリはこちらの方がベルビン達より上だったのでPCSを上げるためのあと一押し演出的なとこで欲しかったような気がします。五輪シーズンじゃないからこういう選曲でもいいんでしょうけどね。
TES52.20 PCS46.97 99.17

 Albena DENKOVA/Maxim STAVISKI(BUL)
「レクイエム&ロミオとジュリエット

デュブリュイル組が「あの路線」で世界一としてもデンコワ組達の「この路線」では無理、そんな重厚感、貫禄があるからこそのチャンピオンなんだなと思いました。もちろん技術スキルも上位チームでは抜きんでています。序盤のツイズルをクリアして「勝ち」が決まったと思いました。曲は「ロミジュリ」ですがテーマは「七つの大罪」。衣装も白い布を纏った囚われの女性というアーティスティックでエロス感のあるモチーフで「罪」のマイム。赤子を抱えているとこなんて寒くなる怖さでした。このプロを生で見られて、本当良かったです。
TES53.22 PCS48.87 102.09

 Oksana DOMNINA/Maxim SHABALIN(RUS)
ダッタン人の踊り

曲想表現、演出力はやはり素晴らしいものがあります。演技としてのアピール力抜群でした。ただ、私の目からみても技術難度が低いんじゃないかなと感じる箇所がありまして、その通りの点数が出てしまいました。アイスダンスとはいえ、スポーツだなと実感。そのあたりは来季克服出来ると思いますのでそうなれば間違いなく脅威のカップルだと思います。
TES49.62 PCS46.19 95.81

 終わってみたら昨年と同じ順位でしたがデンコワ達の力が圧倒的にも感じました。デロベル組はまたも4位(苦笑)3つの競技をムラなくこなす難しさがありますね。ドムニナ組はCD3位なのでこちらもプログラム構成次第でしょう。そして今までは「実績の競技」だったアイスダンスですが、技術にきちんと採点がされてよりスポーツよりになったと思います。若手の勢いが本当に素晴らしいので来季以降大変ですけどまた楽しみです。表彰式では先に台に上がったスタビスキーが2位のマリーを台に抱き上げて乗せてあげるという微笑ましいハプニングが。それだけで和みまして大変な戦いだったけどいい試合だったなと思いました。