Minato's memo

旅・エンタメ・日々の覚書

花はどこへ行った(ノー・マンズ・ランドネタばれあり)

坂本君舞台「ノー・マンズ・ランド」見てきました。坂本君ピン仕事、すごい久し振りです。昨年は再演仕事だったから見なかったのでV6メンバーの中でピン仕事を見ていない間隔が一番空いてしまいました。今回の舞台は初めから1公演のみなのですが、何やら本気のニオイがしたのでもう1公演見ても良かったかなとだけ予感がありました。

舞台はヨーロピアンものにしては単純なつくりですがカンヌ脚本賞を受賞しただけあってプロットが秀逸。さすがユーロもの、アメリカじゃこんな話も結末もつくれないでしょう。映画の結末は無常感が際だつラストのようです。演出も素晴らしく、久々にいい舞台だなと思いました。戦争ものは非常に重いので後もう1回は悩むところですが、見て損はないかなと思いました。ただ、国連軍兵士役は浅野温子さんじゃなくても良かったのでは・・・?

坂本君兵士役2度目ですね。(お忘れでしょうが「シェル傘」ギイ)今回はいい感じでSっぷりが出ていて良かったです。ストレートプレイが久々ですからどんなかなと思いましたが、個人的意見ですが坂本君というか、日本人はやっぱりユーロ圏の表現の方が合うんじゃないかなと思います。アメリカというか、アングロサクソン系やラテン系の脳天気な演技よりはゲルマン系の実直さを感じる演技。演技力でどうとでもなる人ならまぁいいでしょうけど日本人の基本的な表現はゲルマン系の方が違和感ないような気がします。だから普段ミュージカルで感じる「照れくささ」が今回は何もなく、すんなり見られたなと思います。他の役者さん達は当然上手いのでその辺は心配なく。一番は役者さんの力量に極端に差がないのが素直に見られた理由かなと思います。あと、私初見が苦手で1回では話が覚えられない方なのですが、この舞台は1回で内容を網羅出来た、それだけインパクトがありオリジナリティがあるんだなと思いました。

私、戦争ものすごい苦手なんですが、その割りにはつい見てしまいます。TVでたまたまやっていただけなのに「戦場のピアニスト」も見てしまいました。「戦場~」は第二次世界大戦ポーランドを舞台にしたもの。で、今回の舞台は「ユーゴスラビア内戦」です。戦争ものとしては「ベトナム戦争」もあります。今後は「9.11」を中心にしたものも映像化されてゆくのかなと思います。ただ、いずれも問題の根底は何も解決されていなんだよな、と毎回考えては無力感が漂ったりします。

ユーゴ紛争に関しての現状ですが、去年ウィーンに行った時、クロアチアへのエクスカーションもありまして、戦後復興の道を順調に歩んでいるのかなと思います。ですが、今回の舞台のボスニアセルビアは停戦は成立しているものの、国境近くの緊張状態はいまだにあるようですしお互いの居住区に行き来出来る状況ではないようです。そして舞台を見ながらサラエボという地名はフィギュアスケート好きには特別な地名でその戦禍を嘆き反戦の祈りを込めてカタリーナ・ビットが1994年リメハンメルで演技をした。その頃が丁度ユーゴ紛争が一番凄惨な時期であったんだなと自分の無知を恥じたりしました。紛争があったのは知っていても紛争の内容を知らなかった・・・。それを教えて貰った舞台でした。なので帰ってからユーゴ紛争や地雷の事も調べてお勉強してみました。

今回のタイトルはビットのフリー曲でもあり「反戦歌」としてスタンダード(ベトナム戦争の時に歌われたそう)な曲名にしてみました。ビットはそのアピールがまた政治的とも言われましたが、サラエボ五輪の金メダリストでもあるのでユーゴ紛争を憂いた気持ちに偽りはないかと思います。