Minato's memo

旅・エンタメ・日々の覚書

スケートカナダ(2)

女子の華やかな演技とは対照的に大荒れだった男子。一部リンクの狭さとか氷の荒れなどの指摘がありましたが、北米開催は毎年あのサイズなので。というよりワールドもたいていはあの狭いリンクです。選手によってはカラーコーンを置いて対策をした、という言い方をしますけど、GPSレベルではその対策をしない、というか、ユーロ圏開催でロシアン対策の方が優先でしょうから、荒れてしまった、ということでしょうか?あそこまで荒れた大会といえばランビエールが7位から表彰台に登った2007年大会ですね。見た感じ氷が堅そうで、エッジに引っかからないような印象に見えました。あんまり氷の削りかすも出てませんでしたから。

男子の場合、パトリック・チャンという最強選手がいて、彼を追う形になります。弱点があるとすれば3Aがやや苦手というところですが、彼のすごいところは滑りの技術も現役男子で一番、といえるところにパワーもあるのでいざという時は力でジャンプを押さえてしまう。今回のスケートカナダはまさにそういう演技でした。練習で決まりの悪かったSPの3A、他の選手で成功確率の低かったフリーのクワドを力で押さえていったのが印象的で、ジャンプさえ決まればスケーティングはTVで見ても飛んでいるような浮遊感のある滑りを堪能させてくれます。今季はSP、FSとも王者らしい、風格のあるプログラムで完成形が楽しみです。
この大会も日本選手3名を送り込みましたが、無良選手が昨年に比べると調整が上手くいってない印象がありました。日本人には珍しいパワー型でそれがいい形で出たのが昨季なのですが、今季はまだそれが荒いかなと思いました。身体の使い方も全体的に堅いかな。まだこれからでしょうか。
織田選手はネーベルホルンで優勝して、国際大会としては今季2戦目になるのですが、この大会に限り4Tが家出したということでしょうか?織田選手のジャンプは滞空時間が長く、回転のスピードはさほどないものの着氷までのスピードが落ちないので決まりさえすれば加点がつきます。そこに今季のプロはSP、FSともシニアデビュー時を彷彿とさせる音感の良さを活かしたプログラム。やっぱり織田君はああいうプロの方がいいなと思いました。PCSは2位でした。
羽生選手は調子は良かったと言ってますが、あんまり良いようにはみえませんでした。羽生君は練習で調子が悪くても本番で100%近い力を出す「発揮力」が武器のひとつなのですが、普段ならコンビジャンプは外さないだろうにな。3Aも本人比で調子を崩しているようなので本番の演技構成とジャンプ練習のバランスが合ってないのかなと思いました。そうはいっても鬼TESの持ち主。2位に入る自力がありました。ニノロータ版の「ロミオとジュリエット」はまだまだジュリエットがみえないなぁ。
アボット、ここ数年演出に走りすぎてる、と思っています。彼はジャンプが高いわけではないので油断すると回転不足になりやすいので。演技内容の良さは毎年上位に入れたいんですが、発揮をして欲しいわけです。佐藤有香さんファンとしてはあまり心労をかけないで・・・と言いたい。
印象に残った選手でバルテ。見た目RPGのモンクなキャラですが演技はなかなか味があって・・・と思ったら有香ちゃんがキスクラにいてびっくり(だから去年さぼっていたんで)カナダもなかなか層が厚いですね。