力のある若年選手は早々にシニアにあがるので、ジュニア選手権といっても代表選考という視点からみると例年遺恨を残す試合です。でもジュニアだからね。昨季までは最終選考は全日本だったのですが、今季はジュニア選手権優勝者はジュニアワールド代表、残りを全日本で決めるという形です。個人的にはJGPSに出るような選手は試合数や遠征が多く、ブロックまで消化すると結構体力的に厳しいのではと思います。全米のようにシニアと同日日程だといいのになと。そうすれば12月末の試合で、GPFも終わった後だから選考会としてもやりやすいと思うのですが。
という訳で男子、ブロックをスキップした今季JGPS2連勝、田中刑事選手の圧勝でした。得点としては2位の選手が迫ってましたけど、演技バランスが極めて優れてまして、かつ落ち着いていました。過去ずーっとこの大会だけダメだったので(世界ジュニア2位が全日本を取れない不思議)ようやく卒業年に追いついた、そんな印象です。2位は宇野選手。彼は滑りはノービスの頃から突出していましたがジャンプが追いついてないんですよね。背は伸びてだいぶ少年の体型になってきましたが、足が小さいので背がこの後ぐんと伸びるという感じがしない。そうなるとジャンプの取得は筋力次第となります。3Aは30回に1回の確率だそうです(試合後偶然ご家族のお話が耳に入りました)演技は身体が大きくなった分、妙な熟練度が薄れてよい印象です。3位は日野選手。ちょっとSPはやらかしちゃいました。前年のSP継続ですし、死角はなかったはずですが、4T練習で他のジャンプが家出してしまう過渡期なのかなと思います。トップ3は前年まま。
4位本田太一選手、本田真凛・望結のお兄さんで勝負強いですね。演技の密度はちょっと薄い気がしたのですがほぼノーミス。去年もなんだかんだで全日本推薦でしたから、ジャンプ難度によって楽に上位にくるのかなと思います。5位山本草太選手、線の綺麗な選手で、見ておおっと思いつつ、フリーはガンガン攻めてミス多数(苦笑)でも5位に残りました。肩幅が狭いし羽生選手に印象が被るので急激にジャンプを取得してきそうな気がします。
6位、ついに(笑)全日本推薦、友野選手。ノービス時代から宇野選手とはまた違った意味でノービス離れしていて、身体の動作神経が極めて優れた選手でした。大きくなってその頃のちょこまか感がなくなりましたが、演技のシャープさは健在。全日本、楽しみにしておきます。
残念だったのが川原星選手。ずっと全日本推薦の順位が取れていたのですが今季は7位で推薦ならず。ちょっと伸び悩んでいるかな。怪我が多いみたいですが、インターハイでの演技なんてすっごい良いので全日本がちょっと苦手なのかも。例年地区の方がいいので、内弁慶かなと思ったことがあります。
別の意味でものすごかった唐川選手。彼はまだトリプルは2つまでで、それでも全体の9位。スケーティングが巧みです。ジュニアの中に入るとちょっと違う、というのが良く分かります。今後はジャンプの取得が鍵です。
五輪代表争いという視点でゆくと今のシニア男子はすごすぎなので、ジュニア勢では太刀打ち出来ないというのが正直なところです。でも上が抜けた時競争意識が高まって激変する可能性のある男子でした。