Minato's memo

旅・エンタメ・日々の覚書

2013年全日本 男子SP

滑走順が出た時、これは羽生選手と町田選手にとっては楽な展開になりそうだなと思いました。羽生選手の方は五輪有力候補ではあっても、点の出方が未知数な町田選手の内容によって、点の調整がしやすいだろうなぁと。町田選手はスケーティング技術の突出した選手(髙橋選手、小塚選手)の前で、かつどの有力選手よりも先に滑るということは彼のスキルにとってはよいだろうなと思いました。逆にダメだったのが先のGPF。調子も落ちていたんでしょうけど、SPに関しては圧倒的なふたりに挟まれる形での演技となってしまったので自分の滑りのコントロールが出来なかった印象がありますので、自分のことに集中できるという位置は絶好だったと思います。滑走順は後ろの方がいいとよく言われますが、周囲の影響を受けずに、氷の状態のいい早い滑走順はこういう選考会ではよいように思います。

難しい場所に入ってしまったなぁというのが髙橋選手。羽生選手、小塚選手という自身の弱点であるTESがいい選手に挟まれたのが影響しそうだなとは思いました。
で、結果としてはおおむねその通りになったのですが、五輪候補として名乗りを挙げて欲しい選手が軒並みミスをして有力争いが少し楽になってしまったのが残念でした。ただ、村上選手はSPでの4Sの成功率は高くありませんので、仕方ないかな。無良選手は前年良い選手の成績キープの難しさを実感しました。その中TES加点タイプの宇野選手が最終Gに入ったのにはちょっと驚きました。JGPFに出ていたふたりに疲労があったようにはみえるんですけどね。
町田選手の意思が強く出たSPだったと思います。気合いが強すぎて空回りするんではと心配していましたが、発揮力がよかったです。ポーズを解く瞬間に強いオーラがみえました。
織田選手は冒頭の4Tが3Tに。3Aも沈み込みが大きくて体力消耗が目立つなぁという印象。次の3Lz+3Tはコンビを2Tにせざろう得なかったのが惜しいです。3T+3T、3A、3Lzだったら、基礎点28.01。今回の実施は3T、3A、3Lz+2Tで基礎点24.73。元々の予定が4T+3Tでしたので、勝負の明暗って、こういうところにあるんだよなと心が痛くなりました。また、試合の実施ではなかったですがコンビジャンプを3Loにするという方法も織田選手にはあったので、たらればの想像に落ち込んでみたり。
羽生選手はGPFの疲れもあってスピンがやや不安定でしたが、後は文句なしの素晴らしいスピード感と発揮力のある演技でした。完全に別次元の出来。世界最高点(暫定)が出ました。
髙橋選手の怪我の状況がわからなかったのですが、GPFは大事をみてのスキップだったと思いたかったのです。ですが、SPとしてはかなり厳しい出来だったなぁと思います。髙橋選手の場合、SPには絶対の自信があり、4Tを入れるまではSPのジャンプならどんな状況でも出来る、という選手であったのですがかなりギリギリな内容でした。ラストのスピンは完全に力つきてますよね。状態がかなり悪いという風にみえました。
小塚選手、ミスが出ていますが、致命傷となるようなミスをしなかったことに彼の強い意志を感じました。4Tのターン、3Lz+ターン3Tもどちらも片足で降りてかつこの状況なら3TはDGになりがちなとこを押さえた。小塚選手はコンビジャンプをさほど得意としていないのですが、点を落とさない演技をしたことがすごいなと思ったのと、とにかく滑りがよかった。スピードだけでなく多彩な変化で、やっぱりすごいなと思いました。
うっかりこのグループに入ってしまった磯崎選手、良く滑ったと思います。坪井選手も3ADG判定でしたが、頑張りました。よい演技だったと思います。大トリとなった佐々木選手は少し荒い印象でしたがユニバ明けでもパワフルな演技が好感でした。
最終G誰が入るのかなと思いながら、やや予想外の順位だったなという感想の男子SPでした。