Minato Sugisawa's memo

旅・エンタメ・日々の覚書

トリノ五輪(7)女子シングルFS

やっぱりライブでの視聴は無理でした。

 
生で見届けるならともかく、TV観戦で金メダルの獲得の瞬間というのは自分の心臓が持たないと。かつて幕張の世界選手権の女子フリーをリアルタイム見られなくなった心境と同じでした。きっと予感があったんですね、日本の選手の表彰台という結果が。TVつけた時スルツカヤの得点シーンで彼女が思わず頭を抱えた構成点は50点台、彼女にとってはものすごい低い点。それで本日の出来が伺い知れました。フィギュアにさっぱり興味のない妹が5時から起きて観戦していたとか(私でもやっていないのにすごいな)会社に行っても開口一番「フィギュア良かったね」と言われたり。五輪の影響力をまざまざと感じた一日でした。

荒川静香ちゃん。曲は「トゥーランドット」01-02シーズンでも使った曲。本当なら4年前の五輪でも披露出来た曲。2004年世界選手権は痛めた足で3-3-2を決め、旧採点最後の競技会で6.0を出した曲。開会式でパヴァロッティが素晴らしい独唱を披露した曲。彼女の為に風が吹いていたと思えます。衣装がものすごく綺麗。モロゾブ、女子選手の衣装はあまり外さないなぁ。演技はかなり安全運転でしたが、身体の伸びやかさが素晴らしかったです。2回転になったループは元々苦手なジャンプなので(長野五輪では転倒したジャンプじゃないっけ?)慎重に2回転にしたと思いますが、それ以外は最後まで本当に伸びやかに、演技していたと思います。何故これほどまでの演技が出来たのか。本当に神懸かり的な内容でした。緊張が顔に出るタイプではありませんが、今回の演技は緊張感も悲壮感も何もない、本当にいい演技だったと思いますし、いい表情をしていました。滑走順も良かったですね。3番目という事でピークが作りやすかったかと思います。

村主章枝ちゃん。独自の美意識でこちらも綺麗な衣装。選手紹介で全日本の演技だと5位かという予想とそのままの結果になってちょっと自嘲気味です。足を痛める前のスピードが出せたならメダルに届いたと思うんですけどね。新採点で得点が伸びないという訳でなく、演技の精度がどうしても上向かなかった。多少レベルが低くても加点を取りに行く作戦が取れなかったのが今回の演技だったと思いました。心配された3Tは減点こそわずかにされましたが認定されてましたので取りこぼしは2回転になったフリップのみ。そうなるとノーミスでも表彰台に届いたかどうかは難しい点の出方でした。PCSが伸び悩んだのはスピード不足と演技の精度に尽きるかと思います。滑りのスピードはピカ一と言われた章枝ちゃん、本来の出来までもってこれない中での精一杯の演技。本当に惜しい4位です。章枝ちゃんの今後の課題は自分の体調や演技を客観視出来るようにする事ですね。集中して、集中しすぎて今何が必要なのかが見えなくなる傾向があるので。フィギュアがお客様がいて成り立つスポーツというならば、ゆとりを感じさせる演技が必要になるかと思いました。

安藤美姫ちゃん。結果の出た後の各紙報道を見て、やっぱりスケープゴートだったんだと実感しました。そして4年前の恩ちゃんもやはり・・・・。連盟も残酷なことするよな。本人が真面目に練習していてプレッシャーに潰されてというレベルとは違う、明らかにやらされてる感の強い演技でした。曲の「マダムバタフライ」も前の「マイファニーバレンタイン」とそう曲調もテンポも変わらないし、演技もこなれてない。今回各選手ウイルソンプロは好評なのに、この演技だけ何も感じませんでした。GPFの時にも書きましたが4年前にこんな結果になる事を予想していなかった。本当いい選手なのに・・・・。本人は言葉では来季の飛躍を誓っていますが、今の状況を続ければフィギュアスケート界の日本の信用失墜にもなりかねない。選手を利用するため代表に選び続けるのかと思うとゾッとします。
 
それと、精神的な強さというものは健全な環境に育った人の方があります。公式会見で美姫ちゃんが父親の事を聞かれて泣き出した一件、表面的には彼女へのタブーに触れたという事になりますし、良く病気を克服した、親が亡くなった、苦労したという話は五輪につきものですが、そういうものを克服以前に最終的にはどんな結果であれ受け止めてくれる絶対の愛情を受けて育った人の方が強いというのは心理学では常識。そんななので怜奈ちゃんの報道も、美談や苦労話よりそれを越えたアスリートとしての評価が本来大事なのになーと思いますし、安易な美談話は底が浅いと思っています。そして安藤美姫ちゃんが依存傾向が強いのは多分幼少の時に何かあるなと感じています。本当早いところセラピストつけてアスリートそして、大人になって欲しいと思います。4回転に限らず、報道の読み方として、単体のジャンプを飛ぶだけでなく、曲を通した時に飛べるジャンプを「出来る」といいます。安藤美姫ちゃん、今季は曲かけで4回転成功した事ないんではないかと思いました。報道はフィギュアファンではなく一般大衆が相手ですので表面だけが伝わればいいんでしょうけどね。
恩ちゃんか友加里ちゃんが出ていたらロシェット5位という事を考えると6位には入っただろうにな・・・・。
それにしても金メダル確定の瞬間に静香ちゃんの周囲にいた関係者のうざいこと(苦笑)しかも、メダル確定まで近くにいた正コーチの佐藤久美子コーチとモロゾブはすぐカメラの映らない位置まで移動したのにそれ以外の人達いすぎ。他国(というかロシアか)こんなに関係者いた?史上初の瞬間だし、連盟としてははしゃぎたい気持ちはあるでしょうけどみっともないなぁ。
佐藤久美子コーチの「私は何にもしてない」というコメントは正直過ぎて笑えました。いいんですよ。静香ちゃんのスケートの楽しさを取り戻させた人なんですからね。一時期佐野さんにも師事していたのにそちらに戻らなかっただけでもどれだけ必要な人かわかると思います。いや、佐野さんの今回の一連の発言聞いてコーチとしてイマイチな理由が分かったような気がします(苦笑)モロゾブは五輪2勝目のプログラム制作者となりました。
コーエンはやっぱりコーエンでした。足も痛めたらしいというのもありますけど、動きにいつものシャープさがありませんでした。そしてスルツカヤも・・・。4年前の演技を見ていますのでSPよりフリーが危ないなと思っていた2人ですがその予感は的中しました。コーエンは単にフリーに不安があるのかな?静香ちゃんは本来の80%という出来でしたがコーエンは普段のジャンプで常に100%に近いので、ああいう緊迫した場面で80%となるとああなのかな?思いました。スルツカヤは100%の演技ではもっとジャンプ構成が難しくなるので80%のとこでも他の人より突き抜けている筈なのに今回のフリーの出来は50%位と感じました。静香ちゃんの優勝は嬉しい反面、有力選手の自滅という結果はかなり残念でした。
でも上位4人は誰がどの順位にきても複雑な気持ちなんでしょうね。長野五輪ソルトレイクシティ五輪代表選考で静香ちゃんと章枝ちゃん、どちらかが落ちるのを見届けなくてはならないとか、昨年の全日本の上位6人の演技を見た後のような、その時の感情を今回の五輪でも感じました。前回、前々回五輪でもそれは感じているので女子の試合に対しては常にそんな想いにかられてしまうんですね。

次世代のスケーター達、ヒューズ、マイズナー、ロシェット、マイヤーなどなど、いい演技をしてきたと思います。プログラムの密度、演技内容はお姉さん達に普通に劣っているのが今回の五輪の特徴でそれ故大逆転が難しかったですが、この後の世界選手権ではどんな演技を見せるのかワクワク感がいっぱいです。アメリカ勢も次世代が育ってない感じがありましたがそんな事ないですね。ああいう大きい舞台である程度の力とそして「華」があるのはやはり素晴らしい事だと思います。
そしてコストナー。メダルを狙える可能性があっての自滅という形でした。身体が本当細くなってしまって、地元開催キツかったと思います。衣装はすごく綺麗でした。次、また頑張って欲しいです。

最後に荒川静香さん、優勝おめでとうございます。私は早いとこプロに行って、いつまでも滑っていて欲しい、佐藤有香さんのように息の長いスケーターでいて欲しいと思っています。章枝ちゃんが「チャンピオンアイス」にたまに出てますし「スターズオンアイス」と契約出来そうですよね。所属がプリンスホテルなのでプリンスアイスワールドが優先になりそうですが(苦笑)停滞気味のプロスケートの世界を活性化させて欲しいなと思います。

それにしても実況の刈屋さん、すごい強運ですね。金が決まった瞬間、刈屋さんの実況でまた金だよと真っ先に思いました(笑)

絵美さんがいて(今回の五輪で信用失墜した感ありあり・・・)みどりさんがいて、有香ちゃんがいて・・・静香ちゃんと章枝ちゃんが台頭して10年、最初は2人が2人ともスケート技術がイマイチで、でもジャンプは飛んでしまうという感じでした。同じように若手の台頭に苦しんだりスランプに苦しんだり、怪我もあったり、でも本当上手くなったなーと思います。宝物のような2人がきちんとスケーターとして世間に認知される、そして一生スケーターとして過ごせる土壌が出来上がればこんないいことない、そう願っています。