Minato's memo

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2022北京五輪(2)遺伝子のチカラ

f:id:ARCHWAYsince2000:20220131231851j:plain今回、鍵山優真選手が五輪代表に選ばれたことについて、フィギュアスケート第2次ブーム、特に海外男子選手ブームだった1992年〜1998年頃にファンになった方には本当に感慨深いものがあったと思います。つまり自分なのですが(笑)現地観戦で実際に演技を見たことがある選手のお子さんがいよいよ五輪に出る時代となったのかという思いです。鍵山正和選手、全日本は3連覇。全日本ジュニア2連覇(!)1990年全日本2位→1991年全日本1位という流れとなったとき、当時の雑誌で「全日本男子は前年のチャンピオンが引退した後繰り上がりで前年2位の選手がチャンピオンになっていたが鍵山(正和)選手はチャンピオンになるべくしてチャンピオンになった」という趣旨で記事になりました。その息子はというと初出場のワールドで2位となり、普通に五輪メダル候補という、こういうところに「遺伝子のすごさ」を感じずにいられません。こんなにすごいのに羽生選手、宇野選手がいて、3番手扱いなのがまた勿体無いなくもあり、贅沢です。

でね、鍵山正和選手、当時は伊藤みどりさん引退直後の余韻で女子人気だったのと、海外男子スケーター人気が牽引していて日本男子はあまり相手にされてなかった・・・・(と、いっても幕張ワールド直後はそれなりに追っかけがいましたけど)それもあり、選手時代のインタビューが皆無です。鍵山優真選手がメディアに出るようになって初めて声を聞きました。こういうのを見ると当時から取材は丁寧にしておけば・・・と、30年後に思い至るわけです。特にリメハンメルではプロ選手の出場がなかったら10位には入ったはずなのでちょっとタイミングが悪かったな。

フィギュアスケートの世界では時々2世、3世選手が現れます。日本では定期的に2世選手が台頭しますし、北京大会は他国でも数名います。そんな選手たちのご紹介。イリア・マリニンが代表入りしていたらな・・・と思うと少し残念ですが、次の時代の楽しみと、何故かスケート界では親の成績を軽く飛び越すことが多いので遺伝子の作用がどうなるのかを見守りたいと思います。

鍵山正和(父)

鍵山優真(息子)


足腰の使い方がそっくりな2人。大きい試合での発揮力の高さまで似ています。似てないのは正和選手は演技中無表情なことが多かったw1994年のワールドでみどりさんに「もう少しにこやかにしても・・・」と言われてました。この時のFSが3A成功のノーミスなんですよ。皆に見せてあげたい!あと4Tを試合で何度かチャレンジしている、日本のクワド先駆者です。
優真選手は「踊るのが好き」と自己申告するくらいなので喜怒哀楽の表現があります。今後もっともっと深い表現が出てくるのかな。フィギュアスケートの理想とする滑りを持つ18歳、今後が楽しみです。

イワン・ブキン(父)


イワン・ブキン(息子)


父の方はカルガリー五輪アイスダンスのゴールドメダリスト。アイスダンス1985〜1988年の4年間をリードしてきたカップルです。一言でいうと「濃い!」トーヴィル&ディーンの後で差別化の手段として演出の仕方が舞台風だったなという印象です。
息子のブキンは今のことろ入賞カテゴリーに位置するカップルですが、パートナーがとても華があり二人の見栄えが素晴らしいので是非お父さんと同じ「金」に辿り着けるといいなと思っています。

モニカ・マクドナルド(母)


ブレンダン・ケリー(息子)


妹も代表になったことがあるというスケート一家。母の方はカルガリー五輪20位、世界選手権は19位が最高位です。息子はソチ、平昌、北京と三大会連続出場となりました。すごい。将来的に妹とのアイスダンスもありうる??

シャロン=ジョーンズ・ベイカー(母)

ジャン=リュック・ベイカー(息子)


情報をいただきました(ありがとうございます!!)母親は1988年カルガリー五輪アイスダンスイギリス代表として出場、13位でした。息子は今回全米3位で代表選出です。
アメリカにはポノマレンコの息子と(アイスダンス)ドミトリエフの息子(男子シングル)がいます。賑やか。

おまけ
エテリ・トゥトベリゼ(母)

ダイアナ・デイビス(娘)


母親の方は現ロシアのチャンピオンメーカー、「鉄の女」の異名をもつコーチです。今回も「絶望」というニックネームが与えられた選手を指導しています。娘の方は今大会ロシアアイスダンスの三番手として出場ですが、前年までジュニアで今季ナショナル2位なので成長曲線が大きい。聴力に問題を抱えているとのことですが、それでアイスダンサーとは、才能が素晴らしいです。

五輪という舞台に世代を超えて登場する人もいれば、選手としては開花しなかった人もいます。その時その時のタイミングや個人の意志の方が大きいのはどの分野も一緒ですので、奇跡の舞台での姿として大事に見たいと思います。