Minato's memo

旅・エンタメ・日々の覚書

2023年世界フィギュア雑感

気温が乱高下な4日間、日本開催の独特の熱を体感しました。私がさいたまスーパーアリーナを苦手にしていたり、チケット代にビビったりw結局現地なしの大会となりました。羽生くん人気でチケットが取れなくなっていたので色々面倒になっていたところでいいか〜という感じでしたが、いざ始まると行けばよかったな〜という感情と、やっぱりあの熱狂の中で観戦する体力がないな・・・と。全日本はまだそうでもないですが、国際大会、しかもワールドとなると。私、結構なオールドファンなので現地で結構ぼーっとみてる派で国旗を用意したりバナータオルを用意したり、その方面にエネルギーがない。2007年のワールドと、2012年のワールドの現地の思い出もよくて、プレビューにも書きましたが、ふらっと観戦する感じで海外でのワールドはいつかとは思いますが、日本開催は会場次第ですが当面ないと思います。でも世界ジュニアの日本開催があればそれは見たいんですけどユーロ圏の選手の渡航問題があるのか開催の話がないですね。

とはいえ、TVを追えていたかというとそうでもなくて・・・沢木さんも「もうスポーツの取材はできないかも」と言ってましたが、私もリアルで一挙一動を追うのが怖くなりつつあります。これは現地の方がまだ大丈夫なので「視覚」と「聴覚」だけで状況を感じ取るのが苦手になっているようです。終わった時間を見計らって結果にアクセスするということをしています。だからリアルタイムでTwitterに現れなくなっているんですね。平日日中は仕事ですし、全部それでもいいかなと。なので結果として相当やる気のないようにみえたかと思いますwいやメンタルが弱弱なだけです・・・。

前評判通り日本勢が4種目中3種目で優勝、ペアは日本史上初優勝&日本史上初グランドスラム、男女シングルは連覇が初。アイスダンスはあと一歩で10位内。先人たちの道が今に続く、本当に素晴らしい結果となりました。宇野選手はともかく坂本選手は普通に国内大会等に出続けての結果で、内容は先人を超えているのに親しみやすさは全開だなと不思議な感じで眺めていました。

で、先人たちの道が今に続いた結果となったのが韓国。男女とも2位銀メダルとなりました。プレビューに書きそびれましたけど、キム・ヨナの五輪金から13年、平昌五輪から5年、当時を見ていたキッズがここにきて大きく開花したのかなという印象でした。ロシア勢不在が影を落としますが、素晴らしい選手の後にはまた素晴らしい選手が複数現れるんだなと、その姿を追うのもまた楽しいです。少し前にも書きましたが、今後は東南アジア圏の選手が出てきて競技人口がより広がるといいなと思います。ものすごく設備費が高く、器具などが高価な競技、まして冬季競技はますます難しいとは思うんですけど、何となく北米圏がやる気を無くしているように見えるので、東アジア勢がその辺の中心を担えるようになればいいなと思いました。

ペア、「りくりゅう」三浦&木原組の優勝、フリーにミスが出て完全優勝にはなりませんでしたが、多幸感溢れる、滑りの綺麗さで逃げ切りました。クニエリム・シメカ&フレイジャーが2位。先日コーチのトッド・サンドが心臓発作で倒れたとのことで、メインコーチ不在での参加でした。それでもフリー1位。この4年の長いライバルとなっていきそうです。尚、私はメノー&サンド組の演技も大好きでした。ユーロチャンプのコンティ&マッチ組が3位。カナダが4位6位11位といます。今後カナダチームが強化の動きになればまた、りくりゅうに逆風となりそうですが、お互い高め合うが大事だと思うので、どうにか穏便に。

アイスダンス、チョック&ベイツ優勝、ギャニール&ファッブリ2位、ギルス&ポワリエ3位。ギルスの体調不良が少し影響したかな?ギャニール&ファッブリもユーロチャンプなので表彰台を綺麗に確保した印象です。次回五輪までにどのくらい上げてくるかな?コーチはフーサル=ポリです。アイスダンスはなかなかの熱狂状態でTL実況でも楽しかったです。7位にアリソン=リード&アンブルレヴィチウス、リードきょうだいの妹チームが入りました。キスクラにクリス=リードの写真を持ってきていたみたいですね・・・桜の季節、もう訃報からもう3年です。

「かなだい」村元&高橋組が11位。村元さんの方は自己ベストタイという形。結成3年目としては驚異です。個人的に高橋くんがもっと早くアイスダンスに移行していたら男子の勢力図含め、色々結果は違っていたのかなと思うのですけど、場を圧倒する力は健在だなと思いました。10位への道、夢を残して。

男子シングル、宇野選手の完全優勝、2位にチャ・ジュンファン、3位にイリヤ・マリニン。今季の採点傾向として「トータルパッケージ」があるなという印象で、宇野くんはともかく、ジャンプの構成が高いからといって上位に、という感じにはなっていません。そういう意味では今回表彰台には届きませんでしたが、熱狂の最終グループのような個性溢れるユーロ勢が有利な方に寄せる形になるのかな?とみています。クワドなしのジェイソン・ブラウンが5位ですしね。ジェイソンは生で見ると本当素晴らしいので、要はこういう演技をして欲しいんだろうなと。チャ・ジュンファンもその傾向のある滑りの綺麗な選手です。そしてクリケット強し。

宇野選手は捻挫の状況が危ぶまれましたが、強さのレベルがやっぱり違うと思いました。世界のトップに君臨するには技術も必要だけど精神力もやはり大事。滑りの能力、基幹の強さ、精神性、クレバーさ。王者というのはこういうことだと、キャラクター的には飄々としているところもあったのに非常に大人なドラマ性を持った今回の試合運びだったと思いました。二連覇おめでとうございます。

友野選手6位。来季もシードです。今回はどっちかな?と見ていて、結果は今季の延長でした。表彰台到達スコアもほぼ予想通りでしたので、表彰台にはまだ力不足。ただ、これだけ「三つ子の魂百まで」を地でいく選手いる??ノービス時代からの別の意味で場を圧倒する能力を地元ワールドでも発揮したことが素晴らしかったです。本人は勝負師になれないと言い出してますが、そのあたりは荒川さんも佐藤有香さんも通ってきた道です。来季以降どこかで必ず「優勝」しようね。渡辺選手を見てるとGPS優勝だけでもいいような気がしてきました。

本草太選手。全日本後、ユニバで優勝したので安心していたのですが、調整自体も上手くいかなかったのでは?元々ベーシックスコアが低めなのでどうするかな?と思ってはいました。怪我の後遺症がないとはいえないですし、色々こちらではわからない何かがあったのかなとSPの出遅れ方が大きかったので心配でした。メンタルだけが原因なら、経験値をあげれば大丈夫だと思います。

女子、坂本花織選手優勝、2位イ・ヘイン、3位ルナ・ヘンドリックス。女子は少し「荒れた」試合になりました。女子の試合は外気温の変動が大きくて調整が難しかったかもですね。その中で坂本選手、宇野くん同様、「諦めない」演技が二連覇を引き寄せました。前回、2019年大会は女子フリーだけ現地で見ていて後半の3Fの「あっ」を言ってしまった一人です。ノーミスペースのようでちょっとのゆらぎも影響するんだなと。今回の課題はクリアにならなかったですが、壁を一つ乗り越えた演技ではあったと思います。ただ、坂本選手は来季こそモチベーションが難しい気がします。上手に乗り越えてください。

2位イ・ヘインは四大陸チャンピオン。フリー3位がキム・チェヨンと韓国勢が強かったです。SP5位FS4位で総合3位というなかなか複雑な順位のルナヘン。彼女はユーロ期待を背負うことになりますので、メンタルをタフに、競技生活を乗り越えて欲しいです。

三原選手5位。全日本後、こちらもユニバはよかったですが、その後の調整試合が振るわず、調子を落としている印象はありました。SPは頑張りましたがFSは力尽きる形に。中野コーチって坂本さんと三原さんとでは当たりが違うというか、三原さんの方は繊細に接している感じがしてただ「足が痛かった」とだけ。フィジカルでは無理をさせられない三原さん、試合数はもう少し調整した方が良かったかもですね。

渡辺倫果選手10位。出来が全日本を彷彿。四大陸に行ってなかったら結果は違っていたのかな。そしてSPから3Aを入れるリスクの大きさをみた気がしました。先人のトリプルアクセラーはすごいね。FSの順位は三原さんの次でスコア的には近いので、あとは調整力かなと。中庭コーチの現役時代のエピソードを思い出すシーンが多かった今季、今大会でしたが、ここからがお互い本当のスタートだと思います。次回に期待します。

で、コーチになってもやっぱりキャラはそうそう変わらないよね。中庭くんって長いこと最年長キャラでしたけどあまり最年長感のない、当時のムック本のコメントを借りると「いつ見てもフレッシュな印象がある」選手でした。生徒に見えるってどういうことよw中庭くんも勝負師になれなかったスケーターでしたが、コーチとなって結果が出始めている今、次は五輪やワールドで上位の成績を残させる強さを身に付けさせるという課題に向き合う必要があります。キャラ変えも必要ですね。

最後に毎回の言葉です。
選手、競技は残酷でその日が過ぎればあっという間に過去になります。だからせめて今だけは最大の賛辞と労いを。

お疲れ様でした。ありがとうございました。

で、おまけ。会場が東京体育館で男子FSとペアFSが同日というお得さで初めて国別対抗戦を1日だけ見に行こうと思います。国別は結構いい演技のことが多いので。問題はSOIのツアー後の試合ということw選手皆さんご安全に・・・。