

2024年度シーズンにも感じましたけど、男子シングルは連日の競技となった関係でどうしても演技披露のコントロールが難しい印象があります。また比較的いい演技の多かったSPはまあまあ外気温が低かったのですがFSの日は気温も高めで恐らく氷の質は柔らかめ。ミニザンボ、走っている姿は可愛いのですけど製氷の質としてはどうなんだろうなと思いながらみていました。
女子シングル、中井選手のところでも書きましたが、男子FSは魔の北Aブロック前というか、かなりの確率でここでのジャンプが上がりきれず「パンク」が続出していました。

映像を残されている方は確認してくださいませ。コンビの2本目が入らないパターンや単独でも「パンク」などあれ〜??と思うくらいこのコーナーでのジャンプが多かったです。「ジャンプは水物、その時のベストを尽くす」というのはこういうところからもくるのかもですね。
優勝は鍵山優真選手。毎年言ってますが、鍵山選手は全日本まではそこまでピークは強く作らないので。年明けの試合で別人のような滑りをするよなと毎回思います。ひとつ違うのは「エース」としての立ち位置の苦悩というか。先代(宇野くん)、先先代(羽生くん)と比較するのは酷です。「フィギュアスケートの理想」という、間違いのない技術と音楽表現を持っているので自信を持って五輪に臨んで欲しいなと思います。滑り始めた時のトップスピードの乗り方ひとつだけでもおおお!と思います。
2位は佐藤駿選手。シニア初表彰台ということがなかなかびっくりです。シーズン当初の怪我から不安視されていましたけどGPSからは安定感のひとこと。もっとスコアが出ていいし「火の鳥」いいですね。旋律が複雑なので表現で感動させるの難しいのですが、力強く美しい、説得力のある「不死鳥」火の鳥でした。ジュニア時代のイケイケっぷりからシニア以降は大人しい?という雰囲気になりましたが、確実性があるというのはチームとして戦うには心強いですよね。五輪、楽しみにしています。
五輪代表争い、プレビューではああ書きましたがほぼ三浦くんだろうなというところできっちり3位に入り代表入りの三浦佳生選手。怪我の状況、体調も含めてちょっと厳しいのかなというのが見えた演技でしたがそれでもこういう場に於いて「ミスを最低限に留める」というのは大事です。怪我については連盟が無理をさせた結果でもありちょっと思うところがありますが、当初の目標通り「卍トリオ」「関東ノービス三羽烏」で五輪に行く目標も達成となりました。おめでとう&五輪という舞台で暴れてきてください。
4位はジュニアの中田璃士選手。「4位の予感がした」という通りの結果が面白いですが、SPはお兄さんたちの上を行きました。来季からシニアです。こちらも怪我があってのですが、ジュニアの卒業試験を世界ジュニア二連覇をクリアしてきてください。
代表争いのボーダーだった三人について。山本草太選手については「諦めず」かなり頑張ったな〜と思いました。大怪我から復帰し、五輪代表争いまで上り詰めた頑張りは脅威ですが、シニアのシーズンを過ごすにはスタミナが不足しています。例年、シーズン当初がよくて後半に失速するというところを今季は少し後ろにピークがくるようにはしていたと思うのですが、性格的に早く仕上げたいタイプなのでは?今季はSPがなかなかなはまらない感じでした。
先に壷井達也選手、プレビューで「ジャンプの構成を昨季のものに戻すか」というところを見どころにしていて、結果、SPは戻してきた。フィギュアスケートってリズムとバランスの競技だと思ってまして昨季までに完成した技術がひとつジャンプを難しくした途端崩れてしまう。今季はその典型となりました。もし、昨季の構成でシーズンを進めたらどうなっていたのか?でも昨季の全日本以降、調子が上がらなくなっていたのもあり昨季でバーンアウトしてしまったのか。本人にしかわからないところですが、早々の引退表明となりました。やや残念ですが、人生の岐路での悩みに入ってしまったのかもです。
同じ理屈で友野一希選手。シニア2年目で今の技術が完成しての2018年の世界フィギュアの爆発でした。翌シーズンから現在の構成でこれでのノーミス率が低い。他の選手が4Fだ4Loだ4Lzを持ちながら難度を落としての今の構成なのに対して、友野選手は長年自身のジャンプ構成の上限で戦ってきました。ただ、ここ3シーズンはFSの仕上がりがいいとはいえず。膝と足首が硬く、ジャンプを膝で吸収できないハンデがあるところが年齢を経てやや厳しくなっている印象です。たらればですが、客観的に分析して三浦くんが今のスコアで上限とみるならFSのクワドを2本にしたらどうなったのかなと。ノーミスで滑れるなら友野選手は平均でFS170は出るだろうし、SPが良かっただけに個人的にはかなり悔いが残る試合運びでした。会場の声援がすごくて、ジャンプのミスのたびに周りも声を出して「ああ頑張って」という雰囲気。グリーンルームでも沈黙。周囲もどれだけ友野選手に期待していたか、痛いほど伝わりました。
他印象に残った選手。
「大弥の部屋」の仕切りで一躍名を売った蛯原選手、ジュニアワールド代表です。
リンクを「大島劇場」とした大島光翔選手。友野くんって本来はこのポジションだったのになと逆に切なく。
ノーブルさ全開の片伊勢選手、杉山選手。今ある技術をきちんと美しく見せた表現にフィギュアスケートっていいな〜と思いながら。
シニアカテゴリで強さを発揮する周藤選手と森選手のMFアカデミージュニアコンビ。周藤選手のSPに現地観戦は間に合わなかったので映像で補完します。
今季調子が良くないとされていましたが仕上げてきた吉岡選手。
なんだかんだで全体的には非常に面白い競技会でした。
ペア、三浦&木原組の怪我・・・・(涙)怪我の功名、厄落としでありますように。長岡&森口組の優勝。五輪で強い二組が見られるのを本当に楽しみにしています。
籠谷&本田組。初めてみました。ソロの技術がえぐい。三組が世界の舞台に行く日は近い?
全日本って空気に押しつぶされそうな重さもありますが、晴れの舞台でもあるよなと改めての感想です。みなさま、お疲れさまでした。ありがとうございました。


全日本の合間に会場の周辺をふらふら。今大会は天気がイマイチでそれがちょっと残念でした。