Minato's memo

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アジアンパワーの成熟

フィギュアスケートの世界においては文化を背負ったユーロ圏にショービジネスモデルとしての北米という図式があったのですが、女子シングルでのアジア系の女王の誕生頻度が上がったのが最初で、以降他競技でもアジア勢の活躍が目立つようになりました。フィギュアスケートはその見た目の秀麗さと裏腹の中身のハードさ、怪我の多さで北米系は「結果」が出てしまうと次の人生の歩んでしまう事が多いのと長い間ミシェル・クワンの人気に胡座をかいていたという意味で彼女「活動休止」後のアメリカジョービジネスは低迷。代わって日本で人気が出て、後からタレントが育つという流れになっています。

女子シングルでは世界選手権において1989年の伊藤みどりさんから始まり、1991年と1992年クリスティ・ヤマグチ、1994年佐藤有香、1995年チェン・ルー、1996年、1998年、2000〜2001年、2003年ミシェル・クワン、2004年荒川静香、2007年安藤美姫、2008年浅田真央、2009年ヨナ・キムとアジア系が席巻。アメリカ代表にはミライ・ナガスもいます。そんな中、ここ数年で他の種目でのアジア勢の充実が目立つようになりました。シングルでは一歩リードしていた感のある日本ですが、男子でも今回は高橋・織田・小塚という世界ジュニアチャンプホルダーが代表となり、チームとして強豪といえるまでになり、パトリック・チャンのような新しいタイプの選手も出て来ました。男子はまだまだパワー型のスタイルの方が有利な面もあるのでアジア勢の台頭にはもう少し時間が必要ですが、現行の新採点でのルール下ではアジア勢の方が有利なのかも知れません。

更に練習環境やフィジカルの面で差の出るペアとダンスにもアジアの風が。ペアはここ数年で中国が強く、残りの席を他地域で分け合う図式がドイツペアが力を付けて抜けたのかなと思えばシェン・ツァオの復帰でバランスが元に。更に川口悠子選手の「意思」が形になり、ついにユーロチャンプにまでなりました。代表こそ逃しましたが井上怜奈選手も長い間一線で頑張ってきたひとりです。ダンスはまだまだ、というところですが、技術ではシブタニ組が、容姿ではリード組が地位を築き始めています。キャシー・リードクリス・リードは日本代表として、妹のアリソン・リードはグルジア代表として15歳で五輪に参加します。

「頂点」を極めるのはまだまだ欧米・北米の方が強いのかもですが、フィギュアスケートの世界ではアジア人の勤勉さ忍耐強さが結果になりつつあるようです。