ここ2回の五輪企画で必ずやっていたコーチ&振付け師企画は最近の雑誌では定期的に取り上げられるようになっているので新鮮味はありませんが、どうかご容赦を。
高齢化の波とはいっても、やはり有名コーチは選手を五輪に導きます。
ナタリア・リニュチュク(ベルビン&アゴスト、ドムニナ&シャバリン)
ミーシン(プルシェンコ)
モスカビナ(川口&スミルノフ)
ズミエフスカヤ(ウィアー)
常連コーチに割って入るように近年のチャンピオンメーカーといえるのはアイスダンスのシュピルバンド門下生。ベルビン&アゴスト、バーチュ&モア、デイビス&ホワイト、ジュニアのシブタニとアイスダンスの世界では今世界一でしょう。生徒に合った演技をそれぞれが素晴らしい賞賛で迎えられるのですから、その力量というのはすごいものがあります。
そして、プロスケーターからオーサー、佐藤有香、ペトレンコ(ジョニーのサポートをやっているはず)本田武史、デンコワ&スタビスキー。自身がそういう年齢だと気づかされて寂しいのですが、現役時代を知っている選手が多数、キス&クライに佇む姿は感慨深いものがあります。
佐藤有香さんは親子コーチとして五輪へ参加です。寂しいけど、嬉しいです。
振付けも相変わらず人気路線としてローリー・ニコル、ディビット・ウイルソン、そしてモロゾフと名前が上がりますが日本からついに「振付け師」と認知されるような働きをする人物が現れました。宮本賢二、今のチームジャパン男子の気持ち悪い位の仲の良さの礎を作ったアイスダンサーですが、日本だけでものすごい数の振付けを担当、そして高橋大輔、鈴木明子という「ステップで魅せるタイプ」の振付けには独特の世界観があります。アイスダンス出身の振付け師といえば今季はシェンリーン・ボーンも相当数担当。ジェイミー・アボット、鈴木明子と本人のショースタイルそのままに印象深い演技を作ります。パスカーレ・カメレンゴによるアボットと高橋大輔のフリーは今季男子では最高傑作に近いのではというものも。
佐藤有香さんも地味ながらいい仕事をしています。小塚選手の演技はかつて自分が目指したスタイルなのですが小塚選手はさらに細かいエッジワークによる音楽そのものの表現。いずれにしても「振付け」の世界も随分変化していったなと思います。
先に名を挙げた有名振付師達、いずれも今季は外れがないように思います。多少外した感のある年もあるのですが、ヨナ・キムの「007」、織田選手の「チャップリン」、ロシェットの「サムソンとデリラ」安藤選手の「クレオパトラ」と名作揃いです。
浅田選手の「鐘」は当初どうなるかと思ったのですがタラソワコーチの「最高難度」な演技、アスリートとしての限界を突き抜けるような強さを感じる演技に仕上がってきています。