Minato Sugisawa's memo

旅・エンタメ・日々の覚書

五輪直前特集(1)振付・コーチ・音楽編

ウイルソンVSモロゾフVSローリー・ニコル
フィギュアスケートにおいて「振付師」の役割は非常に大きく、また流行としても左右されます。前の五輪からみて人気の振付師は大きく変化はしていませんが、割って入るように現れた振付師がディビット・ウイルソンです。
ジェフリー・バトル選手を代表としてカナダ勢の主要の選手達の振付の他、今季でいえば織田、中庭、安藤と日本人との相性が抜群のようです。新採点に対応したプログラム作りが上手でプログラム構成点が出やすいとの評判になっています。また、今まではシングルの選手に対してのプログラムという印象でしたが、アイスダンスのデュブイエル&ローゾン組に今季初めて振付し、今までのアイスダンスにない表現が高評価を呼んでいます。アイスダンスやペアの元選手がシングル選手にという事は多いですが元シングルスケーターがペア競技にというのはかなり珍しいパターンのようです。
演技曲の変更なしでプログラムの手直しをウイルソンに助力を求めたサーシャ・コーエンみたいなパターンもあります。

対して前回五輪、ヤグディンの「ウインター」の振付でその地位を決定的にした振付師がニコライ・モロゾフです。彼への依頼は北米・ヨーロッパを問わず多く、今季だけでいくとグルシナ&ゴンチャロフブライアン・ジュベール、ビクトリア・ボルチコワ、ユリア・セバスチャン、イワン・ディネフ、高橋、本田、恩田、荒川、コーエンなど。あまりにも人気が出過ぎて皆似たような印象のプログラムになってきているきらいがあります。なのでコーエンのように元がモロゾブプロをウイルソンに手直しさせたりという荒技をやってのける選手が出てきたりします。それと新採点の対応にやや遅れがあるような感じがあります。

ローリー・ニコルはクワンを初の世界チャンピオンにした「サロメ」の振付で有名になった振付師ですが、本人が多少仕事をセーブしているとこがあり、上記2人程の振付の数はありません。村主、キミー・マイスナー、チェンジャン・リー、浅田真央との仕事があります。村主選手に対しては新採点の対応も早く、2人の間の信頼関係の深さが伺えます。浅田選手の方はまだローリー色というより山田色が強いので来季への布石程度かと。尚、今季は村主千香小林宏一と章枝選手の口ききと思えるような選手にも振付がついています。

全員がこのような有名振付師に付くとは限らず、ペア競技はコーチ=振付師というパターンも多いです。トトニアミナ&マリニン、ナフカ&コストマロフ、サフチェンコ&ゾルコーヴィなど。またスルツカヤプルシェンコランビエール、サンデュは自分の個性に合った振付師とのセッションで振付師は無名に近いです。やはり最後は選手の能力、でしょうか?

尚、タチアナ・タラソワの振付も多いです。有名どこではウィアーとクワン。ただ、完全に評価に繋がるかは五輪を待たないとわかりません。タラソワは正直、技巧の得意なコーチ&振付とは思えないので・・・。
ちょっと気になるのがコストナーのフリーの振付、カート・ブラウニング。カートの振付は逆に難しすぎるんじゃ・・・・。

タラソワVSモロゾフVS佐藤組
コーチの勢力図も少し、変わりました。一時期の「タラソワ王国」が分裂し、今はモロゾフが単独で教えてる選手も増えてます。タラソワチームのスタッフだったエフゲニー・プラトフもマイア・ウーソワも離れました。タラソワがロシアに帰った事が大きいんですけどね。そうはいっても影響力は絶大で女子シングルでグルジアのジェデヴァニシヴィーリ選手が欧州選手権で5位に入ってきました。ロシアに帰るまでは荒川の他、クワン、ウィアーも指導したようです。尚、プラトフがズーリンと教えてたりと昔話を知るものとしては結構びっくりな取り合わせな話もあります。ズーリンはナフカの旦那でこのチームのコーチです。チャイト&サフノフスキーも指導しています。
モロゾフはコーチとしての実績はこれからですね。高橋、荒川の合宿地での指導がどうなるか、本番での演技が楽しみです。

佐藤組は近年は一から選手を育てたという事が少なく、途中移籍が多いです。一からとなると小塚選手くらい?フットワークをきちんと教えるというのは今の時代相当根気が必要かと思いますので。ただ、完成すれば評価が高いです。途中で離脱する形になった安藤選手、五輪でどうなるでしょうか?今回の五輪、女子は佐藤組で占められましたが、そういったいきさつがあるので個性は皆違っていてかなり面白いチーム編成です。村主選手も前回五輪と比べて技術的により高度になり、表現も増しています。荒川選手は気持ちの依存を久美子コーチに託している印象です。安藤選手もコーチングより今はセラピー的にキャロルヘイスについているのかなと感じました。

有名どこでは荒川選手並にコーチを渡り歩いたコーエン。タラソワ→ワグナーと移籍をしてます。能力の高さを気持ちでコントロールするのがちょっと難しい選手なんでしょうかね。結局元のジョン・ニックスコーチの元に戻っています。

今時の曲かイタリアゆかりの曲か?
この4年で大流行した楽曲。前回五輪の「ウインター」byボンド、シェン&ツァオや荒川の「トウーランドット」byヴァネッサ・メイ。そしてこの2年はマキシム。いずれもクラシカルクロスオーバーと呼ばれる同じシリーズで出てきたプレイヤーによる音楽ですが、フィギュアと相性がいいらしく多くの選手が使用しています。スルツカヤの昨季のフリー、今季のSP、クワンの今季のSP、ペトロワ&ティフォノフの今季のSP、そして曲目変更で結果荒川選手の今季のフリーが該当します。卓越した演奏技術が演技の相乗効果になるようです。又、まだロシア選手限定ですが、プルシェンコとトトニアミナ&マリニンの使用楽曲は元の楽曲からマートンにより大胆にアレンジされ、ひとつの楽曲としてもかなり印象的に仕上がっています。マートンのアレンジはプログラムに合わせて曲を合わせているので無理な編集がなくその点だけでも印象度が違います。

対して今回の五輪開催地、イタリアゆかりの楽曲でのプログラム。「ロミオとジュリエット」トトニアミナ&マリニン、エレーナ・ソコロワサーシャ・コーエン、「トスカ」「ゴットファーザープルシェンコ、「トゥーランドット」ソコロワ、荒川、「四季」ランビエール、そして蓋をあけてみたら誰もいなかった「マダム・バタフライ」に安藤・・・。(ペアのシェン&ツァオ組が五輪が今季初戦でフリーはマダムバタフライとなりました)正直、五輪開催地ゆかりの楽曲で点に差がついた事ありませんので(笑)この辺はむしろ選手のサービスと捉えた方がいいかと思います。長野五輪開催で日本にゆかりの曲、ほどんどなかったと思うので。