Minato's memo

旅・エンタメ・日々の覚書

追悼 Denis Ten

無念、としか言いようのないことが現実に起こってしまい、辛いという気持ちを抱えたまま、一連の流れを見送っていました。早逝されたスケーターもいますし、過去事故・事件に巻き揉まれたスケーターもいますが、まだ25歳で、メダリストであり現役のスケーターがプライベートの場で直前まで楽しく日常を過ごしていたという日に襲われ、しかも「足」を傷つけられてその傷が恐らく致命傷となったという経緯を聞き、その時の彼の痛みや苦しみ、心情を思うと本当に辛いです。デニス・テンの出る競技会には必ず帯同していたという親御さん、逆縁の不幸を前にその心情を思うと・・・・。

 

仮に病気での早逝なら惜しいとは思いながら天寿だから・・・という気持ちにはなるのですが、今回は本当に、ちょっと結果が違っていたらまだ彼の人生は続いたはずだと思うと、やりきれないという気持ちの方に支配されています。

今回はSNSの世界のスピードの速さと、凶報に対峙し、言葉を発信した世界にいるスケーターを始め、ファンやスタッフ、周囲にいる市井の人たちの悲しみの中にありながら人としての温かさ感じるような書き込みをいくつも読ませていただき、改めて得難い人を失ってしまったんだなとそのたびに悲しくなり、そして世界は優しいんだなと思いました。

一部心無い記事を見聞きしましが私のTL上は宇野くんや美姫ちゃんの演技、大使館のこと、お花屋さんのことなど、彼を見送るために発信された行動は優しいものばかりで少しでも穏やかな鎮魂になればと思いました。

大使館への記帳は考えていたんですが、祖国の英雄と称されていた彼ですから、いつかカザフスタンへの巡礼にしようかなと思いました。WEB記帳というのもありますし、世界は狭いです。

彼の魅力は「殿下」と呼ばれるくらいの品格のある佇まいと滑り、確かな音楽性というスケーターとして必要なものを全て兼ね備えていた点に尽きると思います。怪我が多くて近年は力を発揮できていませんでしたが2013年〜2014年の活躍は小国と呼ばれる国出身の選手の希望と可能性に強い導きを与えるものでした。自国でのアイスショーを成功させたばかりでした。

デニス・テンが出演したことのある日本のショーといえば「THE ICE」があります。これ、来週開幕です。普段行かないショーなのですが今回の件で演出が少し変わりそう。かなり前から心が動いていたんですが、他の予定との兼ね合いで見送りました。ゆかりのあるスケーターが結構揃うのでちょっと惜しいなと思いながら。

最後に、自分がまだまだ諦めきれないところがあります。「なんで・・・・」という気持ちは現時点でも。「人は生かされている」という強烈なメッセージをこのような形で受け取り、だから「今を生きて」いかなくてはならないんだということを改めて実感しました。

安らかな眠りにつかれますよう、お祈り申し上げます。