怒濤の女子SP後半です。会場は異様な熱気でした。グループ4分割でもハイライトが随所にありました。
【グループ5】
Kiira KORPI(FIN)
「Eye Patch and Yo Te Quiero」
3Lo+2T、3F(アウト)、A(あらら)昨シーズンに比べてワンストロークのスピードが出てきています。2Aは本来ミスするジャンプじゃないと思うので集中力が欠けていたのかな?キスクラでは思ったよりがっかりはしてませんでした。
TES25.97 PCS23.66 49.63
Joanne CARTER(AUS)
「Russian Gypsy Fire by Talisman」
3F+2T、3T、2A。ジャンプに癖があるのかな?ノーミスでしたがGOEマイナスがあります。スピードがありました。キスクラにて投げ込まれたカンガルーのぬいぐるみの耳に噛みついてました(笑)
TES28.04 PCS20.42 48.46
Yan LIU(CHN)
「Red River Valley performed」
3Lz+2T、3Lo(ダウン)、2A。J-SPORTSカットかぁ・・・。今季、とても不調でこの日は演技としては合わせてきたと思いますがスケートに全くスピードが無かったです。来季はビンシューにもっていかれそうだなぁ。
TES24.85 PCS21.74 46.59
Mira LEUNG(CAN)
「Freedom」
3Lz+2Lo、3F、2A(ダウン)。曲は「ピンクパンサー」ですね。ちょっとだけあか抜けたかな?カナダ勢にしてこの順位は辛いよな。技巧派のようでいてレベルの取りこぼしが目立ちます。
TES26.17 PCS20.88 47.05
Valentina MARCHEI(ITA)
「アルルの女&カルメン」
3Lz+2T、2A、3S。これまた元気な躍動感いっぱいの演技でしたが、最後の最後で尻餅(苦笑)。リプレイでのコーチのリアクションに会場も爆笑。昨季の五輪強化がここにきて花開いた感じの選手ですね。
TES29.39 PCS23.49 51.88 PB(転倒でもPB)
【グループ6】
Tugba KARADEMIR(TUR)
「Coeurs a Cordes 」
3T(アウト)、3S(アウト)、トルコ美人の、決して悪くない選手ですがジャンプのミスが大きかったですね。予選落ちでした。
TES21.91 PCS19.88 41.79
Carolina KOSTNER(ITA)
「カノン」
3F+3T、3Lz、2A。ジャンプはパーフェクト。スピンは危なかったです(汗)いつもよりスピードを抑えていた印象ですが「カノン」の調べに乗せて女性らしい美しさ、華やかさ、軽やかさを感じさせる演技でとっても素敵でした。衣装も品が良くて綺麗。復調してくれて本当嬉しいです。
TES38.38 PCS28.77 67.15 PB
Idora HEGEL(CRO)
「Blues for Klook」
2Lz+2T、3Lo、2A。意外とクリーンプログラム。滑走順が不幸でしたね。
TES11.83 PCS20.24 46.57
Elena GLEBOVA(EST)
「Tango De Los Exilados performed」
3Lz、3T+3T、1A。ステップがちょっと合わない・・・。3+3が飛べるのはすごいなぁ。
TES25.86 PCS20.24 46.10
Elene GEDEVANISHVILI(GEO)
「2つのギター」
3Lz(転倒)、2F+3T、2A。可愛い可愛い。ファンも多かった印象です。今季の不遇を皆知っているんでしょうか。加点が多いのですがレベルの取りこぼしがあります。練習環境が落ち着けばその辺は解決するかな。コーチにズミエフスカヤさんがいるので多分来季は期待大でしょう。
TES30.40 PCS24.57 53.97
Arina MARTINOVA(RUS)
「Otonal 」
3Lz+2T、3F、2A。ノーミス!身体能力の高さを感じさせる選手ですが、まだ身体の使い方が堅いような気がします。若いのでこれからですね。ロシアンは最近元気がないので一人溌剌とした元気さを感じました。
TES31.81 PCS22.88 54.69 PB
【グループ7】今回の製氷はプレオベールのサイン会でしたw早稲田の応援団はこないのかな?
Joannie ROCHETTE(CAN)
「Little Wing by Jimmy Hendrix」
3F+2T、3Lz、2A。ちょっと堅い。SlSpで転倒。今回3+3持ちでない選手がとても苦戦していましたが、その象徴のような出来でした。きちんと演技出来れば最終グループの筈なんですけどね。試合で力を発揮する難しさを改めて感じました。
TES26.73 PCS24.12 49.85
Kimmie MEISSNER(USA)
「吹雪」
3Lz+3T、3F、2A。滑りに落ち着きがありました。衣装はローリーらしい高級感。ただ、動きそのものの安定感が乏しく、危なっかしい印象は否めません。ノーミスでもコストナーとの差はそこかなと思いました。スピード感は良かったです。
TES36.38 PCS28.29 64.67 PB
3Lz+3T、3F、2A。初見です。TVで見ただけでもすごい選手だなと思いましたが世界選手権という舞台で、あれだけの安定感、技術スキル、曲想表現、それらをコントロール出来る度胸の良さ・・・・。タンゴが比較的雰囲気を出しやすいにしても、フィギュアスケーターとして必要なものを全て兼ね備えている選手、見ていてゾクゾクしてきました。真央ちゃんや美姫ちゃんにもない、もちろん他の選手にもないものです。順調に伸びたらどれだけの選手になるのでしょうか。加点だらけのクリーンプログラム。
TES41.49 PCS30.46 71.95 PB
Julia SEBESTYEN(HUN)
「シューベルトのセレナーデ」
3F、3Lz+2T、2A。ジャンプの高さはやはり素晴らしい。3Lzは危なかったですが久々にいい出来だったかと。もう少し力がコントロール出来ればいいんですけどね。能力に対して曲選びがイマイチかも。
TES33.10 PCS26.88 59.98
Yukari NAKANO(JPN)
「SAYURI」
3Lz+2T、3F、2A。ノーミスだったのですがいまひとつ安定感に欠けていたかな、と思いました。演技がハマった時の叙情性はかなりのものなんですけどね。滑りのスピードがやや遅い印象。スピンの加点がすごい。
TES33.71 PCS26.91 60.62 PB
Susanna POYKIO(FIN)
「One by Apocalyptica」
2A、3Lz+2T、2F。私はこのプロ大好きなんですけどプログラムが地味に映ったかもいろいろな意味でシンプルな出来。アピール力が増せばもっと面白い展開になるかも。TES31.51 PCS26.65 57.16
【グループ8】
Sarah MEIER(SUI)
「アランフェス協奏曲」
3Lz+2T 、3F(アウト)、2A。フリップジャンプが少し不安定な感じはしていたのでそれが試合に出てしまいました。気負いもあったと思います。残念でした。
TES31.64 PCS26.88 58.52
Miki ANDO(JPN)
「シェへラザード」
3Lz+3Lo 、3F、2A。モロゾブのプロが本当に良く合ってます。滑りのスピード感や迫力はもうひとつ上のものが欲しいところですが、曲想表現がやや甘いところをロゾブ特有の印象の強さでカバーした演技。彼女は身体のラインはとても女性的ですが精神が少し幼くてそのアンバランスさが昨季の不安定さに繋がったのですがモロゾブが彼女の良さだけに特化した演技を作り上げた、いい内容だったと思います。
TES38.67 PCS29.31 67.98 PB
3Lz、3F+1Lo、2A。日本女子の中でSPでミスが出るとすれば実は真央ちゃんだろうなぁというのが仲間内の予想で、その通りの結果となってしまいました。意外と大舞台でのポカが多い。3Fはやっぱり普段の滞空時間がなくてギリギリで降りてきてますので次の回転に繋げられませんでした。会場中が「あっ!?」と言ってました。能力の高い選手なので普段の成功率はかなり高いと思うのですがアドレナリンが出まくりになるこういう大きい大会での力のコントロールの難しさは今後の課題ですね。今回のSPは真央ちゃんの少女から大人になる過程としては秀逸のプログラムなのでそれがノーミスで世界発信が出来なかったのが本当に残念です。
TES31.20 PCS30.12 61.32(ずいぶんPCSで助けてる・・)
Emily HUGHES(USA)
「カルメン」
3Lz+2T、3F、2A。アピール力満載ですが、少し雑さを感じます。実は3+3持ちでない選手の中で最終グループ入りする選手って誰だろうと思っていたのですが、エミリーだとは思いませんでした。当日の出来って大事なのね。
TES33.79 PCS27.09 60.88 PB
Alissa CZISNY(USA)
「Prelude & Quadukka」
うわー、J-SOPRTSカット(汗)3F(転倒)、A、3Lz+2T(ダウン)回転スピードの割りにジャンプが低い。ジャンプの高さを出すようにしないと今後厳しいかな。アメリカチームでスピンなどがいいからこそこの順位に留まった印象です。
TES24.03 PCS26.40 49.43
Elena SOKOLOVA(RUS)
「トゥーランドット」
3Lz+2T+3Lo、2A。最後のスピンが大余り。「トゥーランドット」日本でやるのは・・・と思いつつソコロワだからいいか(笑)今季の不調を考えればある程度合わせてきたと思います。ただ、全盛を考えると重いです。
TES29.51 PCS26.32 55.83
1位から4位までがパーソナルベストというハイレベルの戦いとなりました。真央ちゃんの順位はどこに置いたらいいのか悩む出来ですが開催地によっては最終グループ落ちだったかもしれません。個人的には3+3持ちだない選手達の自滅が残念。自分の能力を100%出しても勝てない相手が複数いるという気負いで自分の演技を引き出せない難しさを感じました。でもミスしなければ最終的には台に届いたかも知れないですし。勝負は本当に難しいです。