Minato's memo

旅・エンタメ・日々の覚書

ソチ五輪 女子シングル(1)

女子シングルは久しぶりに「競った」試合で面白かったと思います。前回は1位2位が異次元、トリノソルトレイクは本命が力尽きる形でしたので、皆が力を出し切ったという点では男子よりもエキサイティングしました。

ソトニコワが金でしたけど、恐らくフィギュアファンであればリプニツカヤより彼女を本命にする人は多かったと思います。ユーロSP1位というのは立派な実績で、その彼女が団体戦に出てこなかったのにロシアの本気をみた気がします。リプニツカヤももちろんいいのですがスケーティングがまだジュニアで他の選手のミス次第というところだったのに団体戦SPFS両方滑ったので、ロシアの作戦は冷徹だなぁと思った次第です。その期待に応える素晴らしい演技を披露したソトニコワソチ五輪へ向けてロシアが強化した女子選手の中で無事に育った選手。彼女が出てくるまでに何人のジュニアが「天才」ともてはやされて消えていったか。女性の体型変化との戦いにソトニコワも無縁ではありませんでした。GPSは少しウェイトの影響が出ていましたからね。ユーロあたりで絞って、演技がぐっとシャープに。スピンも個性があるので、死角のないロシア女子初の金メダリストになりました。スルツカヤの悲願を成就する後輩が出て、その想いが無事ロシア開催の五輪で果たされて良かったと思います。
銀はキム・ヨナ。ネットではちょいちょい見ていましたが、TVでの演技は久しぶりです。彼女のすごいところはジャンプのテイクオフの流れに構えるところがなく、3Lz+3Tを飛ぶところとその飛距離。少しウエイトがあるように見えましたが、ジャンプに対する天才的なタッチは健在だなと思いました。滑りもワンストロークが長く、早いのでSSは確実な高得点になります。ただSPを見て、FSは保たないかな・・・・と思いました。結果は保って銀メダルでしたけど、SPほど滑ってませんでしたし、ジャンプも難度を落とした。大きなミスではなかったけど、金までは届きませんでした。とはいえ、まとめあげる精神力はすごいの一言。四年間、決して平穏無事ではなかった彼女が普通の女性に戻る瞬間に出会ったのかも知れません。
銅にコストナー!実は全競技中一番エキサイトしたのが彼女のFSでした。終わった瞬間号泣(恥 でも本当)コストナーも常にユーロの女王として五輪に出続けていて、競技としては辛い結果が続いていたんですけど、この3年は必ずワールドの表彰台に立ち続けた実績がそのまま五輪での自信に満ちた笑顔での演技となりました。「ボレロ」も滑る選手を選ぶ曲ですけど、笑みをたたえたスタートに不思議な気持ちになり、そうこうしているうちにジャンプはするする決まる。そしてほぼノーミス。しかもLzもFも入った。優勝候補に挙げられなかったのが良演技に繋がったのか3年表彰台を守った強さが本物だったということが証明されたのか、とにかくようやく「認められた」のが嬉しくて仕方なかったです。
4位にゴールド。正直、日本勢が失速したのでメダル争いとしてはアジア1ユーロ1北米1で彼女にメダルを取らせるかと思いました。実際その期待値に近い点も出ましたし。フリーでジャンプをひとつ失敗したのでその夢は遠のきましたが、彼女を含め、アメリカ女子は順当に上位に入ったので、やっぱり強いなと思いました。遠のいていたワールドのメダルも視野に入ってきました。アメリカのフィギュア人気の復活は女子の力にかかっているので、ゴールドの体型変化も心配ですが、次を期待します。
いい演技が多くて、競技としては楽しかったですが、日本女子がかなり哀しい結果となったので、1人で心の中で噛み締めた大会でした。