Minato's memo

旅・エンタメ・日々の覚書

ソチ五輪 女子シングルプレビュー

SP 2月19日 19:00~(日本時間2月20日 0:00~)

FS 2月20日 19:00~(日本時間2月21日 0:00~)

女子は実は新しいスターが生まれなかった四年間でした。2011年ワールド覇者安藤選手は休養後全日本で敗退し、引退。2012年2位のレオノワも代表落ち、ヨナ・キムは2012年は休養し、世界選手権と五輪のみ出場という内容、コストナーは安定しましたが、浅田選手はワールドに出場し続けたものの、2013年から復調の兆しという内容でした。日本からは村上選手がワールド代表入りをしましたが、前回のオリンピアンを上回る成績は昨季の4位が最高です。

という昨季までの状況が五輪イヤーになったとたん、ニューフェースの台頭が著しくなりました。ホスト国ロシアの2人のうち一人は世界大会初出場で優勝候補。もうひとりも前回ワールドの実績は軽く飛び越えそうな勢い。北米も、キャロルコーチ帯同で五輪必勝態勢、アジアにもいます。新旧女王対決という様相になりました。

スケーティングスキルだけなら浅田選手、鈴木選手、コストナー、ヨナ・キムの4名が突出していますが、TESは10代勢が強く、浅田選手が団体戦でプレッシャーに感じたのがこのあたりだと思います。周囲の状況に振り回されず、集中して臨むことが運命を開く鍵となります。

しかしながら・・・公平を意識して書いてますが浅田選手の項目を埋めていてうっかり泣いてしまいました。思った以上に浅田選手に思い入れがあるんだなと思いました。

                                                                                                                                                             

選手名 戦績 SP FS
メインコーチ ランク 振付 振付
Carolina   KOSTNER ITA 2012世界選手権1位
    2013世界選手権2位
Ave Maria  Bolero
 Michael Huth  1位  Lori Nichol   Lori Nichol 
ジャンプ難度を落としてから成績が安定するようになって2011年から2013年までは必ずワールド表彰台。世界屈指のスケーティングと大きいジャンプ。ここ数年はプログラムの完成度でも目を見張るものがあります。トリノバンクーバーと五輪メダル候補と呼ばれて結果を残せなかった苦い経験を昇華し、メダルと取って欲しい選手の一人です。
Mao ASADA JPN 2013世界選手権3位
    2013GPF 1位
Nocturne Piano Concerto   No. 2 
Nobuo Sato, Kumiko Sato 2位 Lori   Nichol  Tatiana   Tarasova
体型変化に伴って崩れたジャンプをスケーティングの質を向上させることで克服。ソチに間に合いました。ジャンプ以外の技術も進化、蛹から蝶へ変化したような動作の美しい演技をみせてくれます。自分を信じて、自分の努力を信じて、自分のために、亡きお母様のために「集大成」の演技を見せてほしいです。
Julia   LIPNITSKAIA RUS 2013 世界ジュニア2位
    2014 欧州選手権1位
You Don't Give   Up on Love  Schindler's   List 
Eteri Tutberidze, Sergei Dudakov 3位 Ilia   Averbukh  Ilia   Averbukh 
世界大会の初大会が五輪、となりました15歳のユーロチャンピオン。ミスをほとんどしない安定した技術は五輪というナーバスになる大会では脅威以外の何物以外ありません。アヴェルブフ振付のSP,FSが秀逸で、ホスト国として、旧ソビエト時代を含むロシア女子初の金メダルを狙います。
Ashley  WAGNERI USA 2013 GPF3位
    2012 世界選手権4位
Shine On You   Crazy Diamond  Samson and   Delilah 
Rafael Arutunian, John Nicks 4位 Shae-Lynn   Bourne David   Wilson 
この四年、低迷したアメリカ女子を牽引した存在でしたが、全米では若手の台頭に足元をすくわれた形となりギリギリでの選考となりました。毎回プログラムの評判が良かったのですが今季のFSはどうにも評価が上がらず、昨シーズンの「サムソンとデリラ」に戻すことに。どうせ戻すなら「ブラックスワン」がよかったのになぁ。前の五輪前全米も4位。待望の五輪初出場となります。
Akiko SUZUKI JPN 2013全日本選手権1位
    2012 世界選手権3位
愛の賛歌 オペラ座の怪人
Hiroshi Nagakubo, Yoriko Naruse  5位 Massimo   Scali  Pasquale   Camerlengo
劇場型の演技をする選手で毎年プログラムが楽しみでした。自分のスケートピッチに合わせたオリジナルの「愛の賛歌」、誰もが知ってる「オペラ座の怪人」でこちらも集大成の演技となります。団体戦ではソチの柔らかい氷に苦戦、ジャンプの高さが出なかったようですが、ニースワールドの再現をここソチで実現させてほしいです。
Adelina  SOTNIKOVA RUS 2013 欧州選手権2位
    2014 欧州選手権2位
Habanera Introduction   and Rondo Capriccioso 
Elena Buianova 6位 Tatiana   Tarasova, Irina Tagaeva  Tatiana   Tarasova, Irina Tagaeva 
ユーロでの「ハバネラ」はリプニツカヤを上をゆく出来で、メダル争いのユーロ一押しになるかなと思いました。フリーがやや耳なじみがよくないのですが、順位を落とす原因は3Lz+3Tのチャレンジのせいもありますし、勝つための調整をしてきたらひょっとしたらがある選手です。
Kanako MURAKAMI JPN 2013全日本選手権2位
    2014 四大陸1位
Violin Muse "Yentl"   soundtrack
Machiko Yamada, Mihoko Higuchi, S. Bourne 7位 Mihoko   Higuchi  Pasquale   Camerlengo
今季は序盤から不調で不調で代表落ちしちゃうんでは?というところから全日本、四大陸と調子を上げてきています。山田コーチ久々の五輪帯同。山田コーチの技術哲学であったロドニナが五輪聖火最終点火者というのも縁を感じます。SPをバイオリンミューズに戻して、勢いのある溌剌とした演技をみせてほしいです。
Valentina MARCHE ITA 2013 欧州選手権4位 Torna a   surriento  "Mission   Impossible" soundtrack
Jason Dungjen, Yuka Sato, Franca Bianconi 8位 Roberto   Campanella, Massimo Scali, Yuka Sato  Roberto   Campanella, Massimo Scali, Yuka Sato 
ようやく辿りついた五輪となります。デトロイトに拠点を移してから成績が安定してSPでは上位にくることが多くなりました。FSはまだムラがあるようですが、団体戦の出来をみる限り調子はよさそうです。強いイタリアを表現して欲しいな。
Mae  Berenice MEITE FRA 2014 欧州選手権5位 The Question of   U  Europa 
Katia Krier 9位 Laurie   May, Sandra Garde  Laurie   May, Sandra Garde 
コンスタントに成績を残せるようになり、昨季のワールドは⒒位でベストテン入り目前。黒人選手特有のばねの強さ、という感じはなく、オーソドックスな滑りをする選手です。
Gracie GOLD USA 2013 世界選手権6位
    2014 全米選手権1位
Piano Concerto   by Edvard Grieg  Sleeping   Beauty 
Frank Carroll ⒒位 Marina   Zueva, Oleg Epstein  Marina   Zueva, Oleg Epstein 
2012年のジュニアワールドチャンピオンで全米女王。FSで3Lz+3Tを飛んで成功させるまでになり、一躍メダル候補の仲間入りとなりました。金髪、アングロサクソン系の恵まれた容姿にフランク・キャロルという後ろ盾を得て、アメリカ女子の五輪メダル奪還に挑みます。
Zijun LI CHN 2014四大陸選手権3位
    2013 世界選手権7位
Tango Coppelia
Mingzhu Li, Chengjiang Li 12位 Lori   Nichol  Lori   Nichol
今季絶不調でGPSは途中で参加を取りやめる事態に心配をしましたが先の四大陸で3位に入り、復活を印象付けました。技術的には3Lz+3Tを飛んできますが、ジャンプはさほど大きくなく、少しこじんまりした印象。アジアンキューティーな魅力を存分に出して欲しいです。
Viktoria   HELGESSON SWE 2013欧州選手権5位 Mystery   Waltz  Harem Cobra   Goddess 
Regina Jensen, Christina Helgesson, A. Vedenin 25位 Catarina   Lindgren  Catarina   Lindgren 
姉妹での争いを経ての五輪代表。安定した演技を披露していた昨季と比べて、今季は少し調子を落としているようにみえます。北欧系共通のきれいなエッジ。どこまで上位を伺えますでしょうか?
Elene   GEDEVANISHVILI GEO 2012 欧州選手権3位 Tango   Selection  Giselle
Brian Orser, Ghislain Briand 28位 Irina   Yaroshenko-Romanova Irina   Yaroshenko-Romanova
ロシア開催のため、国との関係の悪いグルジアは隣国なのに代表を送らないという話もありドキドキしましたが無事派遣、参加となりました。SPのPBは前回五輪でのもの。政治的圧力を乗り越えるようないい演技を見せてほしいです。
Yuna KIM KOR 2010 五輪金メダル
    2013 世界選手権1位
Send In the   Clowns Adios   Nonino 
Hea Sook Shin, Jong Hyun Ryu 29位 David   Wilson  David   Wilson 
彼女にとってこの四年にどんな意味があったのか、その答えの大会になると思います。世界屈指のスケーティングスキルといくらロシアン勢が3Lz+3Tを入れてこようとも、彼女の大きく流れのあるジャンプの前では霞みがち。難があるとすれば、トランシッションの盛り方がGPSを戦ってきた選手と比べると弱いかなというところ。でも、クオリティはやはりアジアの至宝といえます。
Kaetlyn OSMOND CAN 2013 世界選手権8位 Big Spender Mission   Cleopatre 
Ravi Walia 38位 Lance   Vipond  Lance   Vipond 
今季前半は不調のためGPSは不参加。カナダ国内選手権で優勝し、代表入りしました。今季初の国際大会が五輪ということになります。愛らしい容姿に演技はパワフルさも出てきて、伸びしろを感じます。ジュニア時代からみても目立った成績は残していませんが、下位スタートは案外いいかもしれず、台風の目になるかもです。