SP 2月13日19:00~(日本時間2月14日0:00~)
FS 2月14日19:00~(日本時間2月15日0:00~)
男子は「世代交代しそうでしない」四年間でした。とはいえ、激戦区の北米やアジアは少しずつ代表が入れ替わって柔軟性と身体能力の高い選手が選出されているような気がします。前回五輪はクワドレスのチャンピオンでしたが翌年より四回転複数回というすさまじい戦いに突入、種類も1種から2種という流れも出てきました。
絶対王者、パトリック・チャン中心の戦いとなりますが、TESトップスコアをたたき出す羽生選手とクワド3回のフェルナンデス、そこに復帰した帝王プルシェンコがどこまで迫るかが見どころです。
高橋選手、町田選手、羽生選手3名による日本複数メダルの可能性は 全員がノーミスとなったら「ない」です。恐らく北米1ユーロ1アジア1で落ち着くと思います。ミスが出た場合、どういうミスかによって順位は当然変わりますがプルシェンコがどのくらいの内容のフリーを滑るかによります。プルシェンコの滑走順と後のユーロ勢の出来次第で点の盛り方が変わりそう。ホーム&アウェイが色濃く出そうだなと団体戦をみて思いました。 http://www.isuresults.com/results/owg2014/CAT001EN.HTM
選手名 | 国 | 戦績 | SP | FS |
メインコーチ | ランク | 振付 | 振付 | |
Yuzuru HANYU | JPN | 2012世界選手権3位 2013 GPF1位 |
Parisian Walkways | Romeo and Juliet by Nino Rota |
Brian Orser, Tracy Wilson | 1位 | Jeffrey Buttle | David Wilson | |
彼の発揮力は喘息を抱えているからなんだろうなと、同じく喘息だった井上怜奈さんと印象が被るときがあります。フィギュアスケーターとして理想的な身体能力と危うさすら感じる刹那的な演技。ノービス時代から常に上の世代を凌駕していたその才能はここソチで結実するのでしょうか?2年前は「ロミオってそういえば16歳だった」と気づかせたもの。今回のロミオは「夢」なのかな。 | ||||
Patrick CHAN | CAN | 2011年~ 2013世界選手権1位 2013 GPF2位 |
Elegie in E-Flat Minor | Four Seasons |
Kathy Johnson | 2位 | Jeffrey Buttle | David Wilson | |
ワールドだけなら5年連続表彰台。四大陸に出ていないのでその分だけスタンディングが低いです。氷上を飛ぶように滑る世界一のスケーティング技術とジャンプを確実におさえるパワーを兼ね備えています。死角があるとすれば3Aが苦手なこととスピンの難度設定。普通に滑れば金メダルのはずですが、ノーミスはあまりないので。アウェーの洗礼にも耐えないといけないという戦いです。 | ||||
Javier FERNANDEZ | ESP | 2013 世界選手権3位 2014 欧州選手権1位 |
Satan Takes a Holiday | Peter Gunn Harlem Nocturne |
Brian Orser, Tracy Wilson | 3位 | David Wilson | David Wilson | |
前回五輪は14位。オーサーに師事するようになってから着実にレベルアップをしています。上位陣ではスケーティングに難があるのですが、スピンとフリーでは3度のクワドでTESを稼ぎ、軽やかで南欧の選手らしい明るい演技で勝負します。SPFSが揃わないところと、冬季ではスペインは小国になるのでどのような点が出てくるか、かなり未知数なところがあります。 | ||||
Daisuke TAKAHASHI | JPN | 2010 五輪銅メダル 2012 GPF1位 2012 世界選手権2位 |
Sonatino for Violin | ビートルズメドレー |
Utako Nagamitsu, Takeshi Honda, Nikolai Morozov | 4位 | Kenji Miyamoto | Lori Nichol | |
この4年も決して平坦ではなかったですし、ここ2年は羽生選手の上を行ったのは2012年のGPFが最後。この1年はさらに身体的な部分での不安もあった思います、それでも世論で金メダルを期待するのは彼。日本男子フィギュア界の歴史を塗り替えてき続けた選手の五輪最後の演技、どれがどんな結果であろうとも、オンリーワンの選手として称えてほしいなと思います。 | ||||
Denis TEN | KAZ | 2013世界選手権2位 2014 四大陸選手権4位 |
Danse Macabre | The Young Lady and the Hooligan |
Frank Carroll | 5位 | Lori Nichol | Lori Nichol | |
デビュー当時から才能溢れた滑りをしていましたが、成績に結び付いたのは昨季のワールドのみです。名伯楽フランク・キャロルの教えを受けてますので発揮力はあるのですが、今季は少し体調に不安があり。四大陸でようやく「間に合った」という演技をしました。メダル争いの可能性は未知数です。 | ||||
Tatsuki MACHIDA | JPN | 2013 GPF 4位 2013全日本 2位 |
East of Eden | Firebird |
Anthony Liu, Azumi Hata, Yoshinori Onishi | 6位 | Philipp Mills | Stephane Lambiel | |
ハートで滑るというものを体現する選手。昨季より変革の兆しがあったのですが、全日本で大失敗をしたため五輪が世界大会デビューとなりました。スケーティングにやや難がありますが、演技力とスピンの確実性、そして「自分にとっては普通のジャンプ」と完全習得した四回転でのTESとPCSのバランスで勝負します。 | ||||
Michal BREZINA | CZE | 2013 欧州選手権3位 2014 欧州選手権4位 |
In the Hall of a Mountain King performed | Sherlock Holmes |
Viktor Petrenko | 7位 | Pasquale Camerlengo | Pasquale Camerlengo | |
ワールドの最高位は4位ということで、ミスは少ないものの、「決定力」にも欠ける印象があります。しかもワールドに関しては先輩ベルネルと仲良く下降線を辿っていて心配。ペトレンコに師事するようになったことがプラスに働ければいいなと思います。 | ||||
Florent AMODIO | FRA | 2013 世界選手権5位 2011 欧州選手権1位 |
La Cumparsita arranged | The Blue Danube |
Shanetta Folle, Katia Krier | 14位 | Stephane Lambiel, | Marina Anissina | |
シニア移行後にやや迷走した感があります。音感・リズム感に優れていますが、リンクカバーの狭さがその後の伸び悩みにつながりました。コーチを戻して、4Sが安定の兆し。上位を伺う準備はできています。 | ||||
Han YAN | CHN | 2012 世界ジュニア1位 2013 四大陸3位 |
Minor Waltz Michael Poral Viper's Drag |
Angels and Demons |
Shuguang Jia | 16位 | Lori Nichol | Lori Nichol | |
今季のGPSで活躍した選手。飛距離のある3Aを飛びます。中国といえば過去にはジャンプだけ、という選手が多いのですが、スケーティングとジャンプならかなりのものがある選手です。あとは国際的に垢抜けた音楽表現だけという選手です。次世代のエース候補。 | ||||
Brian JOUBERT | FRA | 2010 世界選手権3位 2011 世界選手権2位 |
Mutation (from "Amaluna") | Concierto de Aranjuez |
Veronique Guyon, Nikolai Morozov | 22位 | Nikolai Morozov | ローリー・メイ | |
ユーロを代表するスタースケーター。五輪での戦績はいまひとつですが、世界選手権では常に上位に来ていました。ソルトレイクから四大会連続出場はフィギュアスケーターとしては稀、五輪が現役最後と表明しており、最後の演技が往年の輝きあるものであってほしいなと思います。 | ||||
Tomas VERNER | CZE | 2008 欧州選手権1位 2011 世界選手権3位 |
Duelling Banjos | Oblivion他 |
Michael Huth, Vlasta Koprivova | 24位 | Lori Nichol | Lori Nichol, | |
前回五輪以降、成績という点では非常に制裁を欠いた内容で、心配でしたが今季は拠点をもとに戻したことがよい結果となったのかユーロでは復調の兆しがありました。今季で引退を表明しており、2002年ワールドからの世界大会のキャリアをよい形で終わらせてくれればと思います。 | ||||
Jason BROWN | USA | 2013 世界ジュニア2位 | The Question of U | Reel Around the Sun |
Kori Ade | 25位 | Rohene Ward | Rohene Ward | |
ランキング上位のアメリカ勢は他にもいるのですが、全米での発揮力で代表入り。4回転なしですが、柔軟性を生かした緻密なトランディッションでプログラムを構成しています。世界大会初出場が五輪、どんな点が出てくるか楽しみです。 | ||||
Kevin REYNOLDS | CAN | 2013 四大陸1位 2013 世界選手権5位 |
Back in Black | Excelsius |
Joanne McLeod | 28位 | Shae-Lynn Bourne | Shae-Lynn Bourne | |
北米ゾーンが誇るクワドキング。細い身体でシャープな四回転を回ります。3Aが苦手なのと、他の要素が弱かったのを徐々に克服して、昨季はワールド代表を擁した日本男子を退けての四大陸優勝を果たしました。ワールドも5位でカナダ男子3枠獲得に多大なる貢献をしました。 | ||||
Jeremy ABBOTT | USA | 2010 世界選手権5位 2013 NHK杯3位 |
Lilies of the Valley | Exogenesis Symphony Number 3 |
Yuka Sato, Jason Dungjen | 29位 | Robin Cousins | Jeremy Abbott, Yuka Sato | |
羽生君の発揮力を煎じて飲ませたいといいたくなるくらい、「どうして・・・・」と思うシーンを多数目撃しています。アメリカ国内での扱いに問題があるのかもですが、スケーティングもジャンプ能力もスピンも表現力も持ち合わせている稀な才能のスケーターです。最後の五輪で今までの分の発揮力をつぎ込んでほしいです。 | ||||
Evgeni PLUSHENKO | RUS | 2012欧州選手権1位 2010 五輪銀メダル 2006 五輪金メダル |
Moulin Rouge | The Best of Plushenko arranged by Edvin Marton |
Alexei Mishin | 62位 | David Avdish, Maxim Staviski | David Avdish, Maxim Staviski | |
類まれな身体能力と、ロシア1枠の争いを勝ち抜いた王者としてのオーラは四大会連続五輪出場という快挙でも色あせてません。ただ、前回五輪ですでにつなぎに難があったので、今の主力選手に迫る何かが出せるのか、自国開催の五輪という舞台でどのようなパフォーマンスをみせるのか、どのような存在感を出すのか、期待したいと思います。 |