Minato's memo

旅・エンタメ・日々の覚書

放送事業者への伝言

NHK杯が開幕しまして、私も明日より現地観戦。観戦の感想は今季は別ページを設けてますのでそちらで書くとして、今日のNHKの放送を見てうっかり涙ぐむ位良かった内容に「スポーツを放送する意義」という点で少しコメントなど。昨年の美姫ちゃんのまさかの4位スタートや、一昨年の静香ちゃんの悲壮感ある演技とは違う、3人が3人とも清々しい演技だっただけではないような気がします。

「選手にキャッチフレーズをつける」「特定の選手に肩入れする」「殊更若い事を強調する」など民放にありがちな現象、これは「芸能界」「芸能人」「アイドル」に対する放送のセオリーです。アイドルと呼ばれる方々はデビューする時に何かしらキャッチフレーズが付いています。V6もあったはず(知らないですが)年齢の強調は鮮度に対してのみのアピール、選手への肩入れは芸能プロの力関係で興味あるなしに関わらず、「そういう風にしなくてはならない」という通達から起こります。ようするに今の民放はほぼ、この法則をもとにスポーツ中継をつくっています。彼等はスポーツを好きで作っている訳でなく、「お仕事」であるのです。もちろん「アイドル」の方々と違って(語弊はお許しを)スポーツ選手が名が知られるのは「実力」が先ですので肩入れが偏るのは仕方ない部分はありますが。

今スポーツ中継に「世界戦」という言葉が入ると視聴率が上がると言われています。マスコミの後押しも大きくて実際スポーツ中継、何をやっても視聴率はいいようです。でも、マスコミがもう少し成熟しないと、特定の選手の人気のみで本来のスポーツの楽しさが伝わらない、いつまでも「芸能人」のような扱いの放送しか出来ず、人気選手の引退と共にその競技の中継は衰退するという悪循環があります。

私はスポーツ放送が好きで、昔から良く見ていました。ふと気付けば、体操も清風コンビで人気があった頃に民放で放送していた事がありました。テニスも伊達選手を始め日本の選手、主に女子選手が多く上位ランクにいた頃結構放送をやっていました。今では敵のような(笑)松岡修造選手の全盛の頃の試合も見ています。でもいずれも今民放では殆ど見られない競技です。今民放のスポーツ中継といえば、ゴルフと、スケートと、サッカー、野球、世界戦のある試合というところでしょうか。私は今のフィギュアスケートブームに冷ややかで、長くてもあと10年かなと思っています。そうしたら民放の放送はきっと撤退するだろうし、本格的にリンクも潰れてゆくのかなと結構悲観的。でも民放の方々は「お仕事」の種類が変わるだけだからそんな事は気にはしないでしょう。だから今の放送の質なんかきっと気にしないのでしょう。

それでも「一定の質」を作り出せるNHKに有り難みを感じました。一部哀しくなる報道が多かったですし、今後NHKの立ち位置はますます難しい状況なのですが、TVを見るという行為を繋ぎとめてくれる放送のクオリティの維持にはやはりNHKみたいな放送でないと、とだけ、思いました。TVでスポーツを中継する意義ってそこが本質の筈なんですけどね。そうすれば「競技」の面白さで放送が作れるのに。

野球の視聴率衰退の声が大きいですが、本当の野球好きは球場で見てるか、今はCSなどで見てる人が多いと思います。そう、「民放」という意義が無くなっているのかなとだけ思いました。放送をつくる方々、彼等はプロとして危機感がない、(これ最近の私の口癖 笑)それがテレ朝のスポーツ中継でした。イアン・ソープも引退したしね・・・・。