次シーズンを前に宇野選手の現役引退が発表されました。会見はこれからですが、まずはお疲れ様でした、と言いたいです。そしてこの年代の選手が引退するようになり、本当、長い年月を経て親子ほど歳の離れた選手がいよいよ引退する時がきたんだなという感想です。
宇野選手はグランプリ東海出身の選手らしく、滑りの質が素晴らしかった。プラス、グランプリ東海初のメジャー男子選手となりました。ジュニアまでは勝負師的なところがあって、全日本では上位には来るものの、技術が、特にジャンプがなかなか習得できずにいたところ最終年くらいに急に全てのジャンプを揃えるようになって、今に至ります。スケーティングもですが、スピンも独特の強さがある選手でした。
羽生くんがいたのでなかなか大変な時代の選手生活でしたが、それでも五輪で団体含めての三つのメダル、世界選手権は四つのメダル。22年、23年は連覇。素晴らしい活躍でしたし、休養なしに競技生活を駆け抜けたフィジカルの強さが際立つ選手です。彼は超未熟児として生まれているのでここまで表面的には健康でいられたことは親御さんにとっては感慨深いものがあるのではと思います。
宇野くんは羽生くんや鍵山くんと比較するとちょっと不思議ちゃんキャラでしたが、地頭の良さが随所に感じられる発言をしていましたし、主張が一貫しているなと思いました。選手生活後半はステファン・ランビエールこの関係性も微笑ましく、そういう意味でも国内拠点を卒業できたのは良かったなと思います。
回転をつける力が強すぎるが故になぜかコンビジャンプが苦手でしたが、フリップのシークエンスとか、びっくりコンビを持っていたりします。独特ですね。
順調なようで山あり谷ありの競技人生でした。どの演技が一番だったかな?と思うと表現は毎回一番いいなと思うものを出してくるので最新のプログラムが一番かな。技術とのバランスで言えば2022年の世界選手権でしょうか?完全にゾーンに入った演技で失敗する気がしないというのが全面に出ていました。あれは五輪後のとは思えない強さを感じました。
今後はどうするのかな?立川のリンクに合流では?とのことですが、次のステージでの活躍を楽しみにしています。
全日本男子、結構勢力図が変わりそうですね。