Minato's memo

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2022年全日本フィギュア 雑感

久しぶりの現地観戦、今朝帰宅しました。

大阪開催の全日本、これまでのことが蘇ってきてそれらは全てこの大会に繋がっていたのかという感想を持ちました。代表発表を見てつぶやいたこの一言が全てです。

今大会コーチとして大躍進していた中庭健介くん、彼が現役時代ほんの僅かな差で世界選手権代表を逃したのは2007年大阪開催の全日本でした。それを当時会場で見ていて、最大の機会であったのに、頑張っていたのに、報われなかった姿にやりきれない自分自身の感情を沈めるため大会後京都の鴨川付近を散歩してから帰京した思い出があります。見ていて、努力が報われない辛さをみた大会でした。

この出来事は数年後「KENJIの部屋」にゲストとして出演したときにも語られていまして、やはり相当なトラウマのようで。恐らく今のコーチ業の根幹を支えているはこれだろうなと思っています。

今回、教え子の渡辺倫果選手がワールド代表に選出され、中庭コーチの選手時代の果たせなかった夢を想像とは違う形でしたが叶えることになりました。プレビュー記事で飲み込んだ言葉、「コーチの果たせなかった夢」これは個人的な感情だと思うので選手の頑張りとは関係ないし、現役の選手たちに失礼かなと思いまして記事として残すことはしませんでした。でも、中庭くんファンの私としては、あの日の出来事は全てこの日の結果のためにあったのかなと思わずにいられませんでした。中庭先生、ジュニアワールド(中井亜美選手圧巻のTES!)四大陸、ワールドとISUチャンピオンシップ帯同です。何年経ってもファンでよかった・・・と思わせてくれる活躍を会場で見ることができて嬉しかったです。

2016年大阪開催の全日本。今回の来阪はこのとき以来です。随分と時が過ぎてしまった・・・。当時まだジュニアだった友野一希選手、そしてシニア1年目の三原舞依選手。

友野選手はこの前シーズンの山本草太選手の怪我から「代打の神様」をスタート、フィギュアスケーターとして覚醒しました。この年のSPとFSは素晴らしかった!特に「パリのアメリカ人」は名プロ。三原舞依選手は「シンデレラ」。これまた彼女にぴったりでした。三原選手はこの大会でワールド代表になりましたが宮原知子選手の怪我によりエース不在の状態が影響したのか、翌年五輪女子代表枠「2」となりました。三原選手はこの年以来、6年ぶりの代表選出です。そして宇野昌磨選手が全日本初優勝しています。見ていて楽しかった思い出のある大会です。

2018年、TVでの観戦。シニアの舞台は綺麗事では通用しないなと痛感しました。一番ワールドに行って欲しい人がワールドに行かれない辛さをここでも。

そして今年2022年の全日本、個人的にワールドに行って欲しいなと思った人は全員、ワールドに選出された一方、2位なのに代表に選出されない、シニア順位上位でもワールドに選出されないという、選考の辛さを思い知ることになりました。

元々、全日本はトップ選手にとってさほど重要視されてなかった時代の方が長いです。五輪代表が前年実績で全日本を待たずに内定していたりします。佐藤有香さん、鍵山正和くん、本田武史くん、恩田美栄さんあたりがそう。

また2位になのにワールド代表になれなかった、という選手にも中庭くんの名前は出てきます(2004-2005年)この時争っていた人は本田武史くん(優勝)と、髙橋大輔くん(全日本6位、四大陸で決定)。名前だけ出せば、大方は「仕方ない」となりますが、私は今でも納得いってない選考のひとつです。そしてもうひとつ、この名前で、しかも全日本優勝でもワールド代表になれなかった人もいます。荒川静香さん(1998-1999年)代表を争っていたのは村主章枝さん。この年の女子は代表枠が1しかなかったのですが、前年五輪代表選手が外されるという選考。やはり選考は多少連盟の主観と国際評価で左右すると言わざろうえません。ここ数年は全日本一発選考の方に傾いてましたが、「あと一人」については常に揉める歴史の繰り返しです。そのあと一人が期待通りに活躍できればなのですが、上手くいかない率が高いからまた揉める。今はGPFとの兼ね合いも悩みどころです。羽生くんですらJGPF→全日本で失敗したことがありますし、最後のGPF→全日本はかなり出来が悪かったです。

渡辺倫果選手にしても山本草太選手も初めてのGPFで、連戦となる全日本では厳しい結果になるのは目に見えてました。じゃあそこを考慮した場合、全日本はどう見るのか・・・という点に於いては、当面は重要視されない方に傾くのかな。会場の環境にアジャストする能力が高い選手の方が国際大会では活躍できます。国内で入念に調整して全日本で結果を出すというより、国際舞台でどんな状況でも適応できる力。私個人は渡辺選手の選出は強く望んでましたが、今季はまだ早いかな?という全日本の結果に対し、吉田陽菜選手が選考に則して選出されるかも、と予想しました。ただ、それにはJGPFと全日本SPの出来が悪過ぎました。結果論ですが吉田選手はJGPF用の練習は一切せず、全日本を照準にしてきたという印象、だとすると全日本はSPから最終Gに入る内容が必要だったと思います。結果、選考を覆すほどの印象を与えられず、CS・GPシリーズで強い印象を与えた渡辺選手の方に傾いたのかなと思います。尚、渡辺選手の四大陸選出はランキング対策、ワールド滑走順対策だと思います(ただ連戦はやめた方が・・・まして高地のコロラドスプリングス

どんな選考をしても揉めるなら、ということで、髙橋大輔選手の名言「周囲を黙らせるほど強くなる」しかないです。今回、有力選手が軒並みミスをしてしまい「荒れた」試合になりましたが、宇野くん、坂本さん、三原さんは大きな取りこぼしなく、演技を実施しました。今回選考が微妙だった選手はまだまだその強さ、凄み、調整力、説得力、やり切る力が足りない。選手生活は過酷で険しい、その現実を改めて突きつけられたのかなと思います。

各カテゴリーについてはは冬休みに頑張ります〜。