Minato's memo

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2023年全日本フィギュアスケート選手権(3)代表選考について

今大会若干の隠居感を漂わせていたのは(1)で書いた通り、昨年の選考が自分の積年の想いが全て氷解した感じがあったからでした。そして今年は恐らく、自分がこうあって欲しいなという選考にはならないだろうなと最初から予想をしていました。

選考者側の「期待値」が多分に含まれるのが全日本の代表選考だと常々感じています。それが一部の選手、チームに偏る。「将来性」という曖昧なキーワードで。類義語で「実績」もあります。若手と呼ばれる層は「将来性」、20歳を超えてくると「実績」男子、女子、アイスダンスの選考のうち、アイスダンスが象徴的かな。小松原組は今季、東西選手権で若手チームの後陣を配して、全日本も総合での1位。実力差がほとんどないのであれば若手の伸びしろに「期待」して四大陸での決着を選んだ形となります。

男子と女子は状況が違っていて、女子は新人を2名ワールドに選考。1人が大技持ち。三原選手の怪我の回復を期待して代表に入れると思ったのですが、三原選手の「実績」より全日本2位の千葉選手の「将来性」に賭けた。で、吉田選手は昨季の渡辺選手のようなポジションで大技持ち特有の爆発力に期待とGPFのメダルという実績を加味した。この選考は坂本選手の負荷が大きいな・・・という感想です。

男子に関して1位2位の圧倒的実績に対して昨季のワールド代表が辛い選考となりました。

まずは山本草太選手と三浦佳生選手。今季GPSでの戦い方、もっというと先シーズンのGPS〜GPF、ISUチャンピオンシップでの戦績で明暗を分けた形に。山本選手はGPS中国杯の失速が大きかったですね。三浦選手はGPFだけ何故かアレですが、他の大会は安定の一言でISUチャンピオンシップの2冠も達成。この選考はまあ妥当なのかなと思います。

四大陸の選考については鍵山選手は四大陸出場を希望すると思っていたので、5番目までに入らないとISUチャンピオンシップの出場機会は得られないと予想していました。プレビューで名前を挙げた順番が私の予想順位で、友野選手は予想通りの6位。友野選手に対して連盟は「どんな状況でも勝てる選手になりなさい」と、痛烈なメッセージを突きつけた形になります。

「特定の推しをつくると客観性がなくなる」とプレビューの冒頭に書きました。

全日本の選考は中庭先生が現役だった頃を毎回思い出します。昨年は2007年の選考とリンクして、中庭くんの無念を友野くんと渡辺倫果さんが晴らしてくれたと勝手に思っています。今回は2008年の選考とリンク、中庭くんが友野くんと同じように全日本6位で四大陸代表選考から漏れ、MOIに参加せず、福岡に戻ることに。その時の会場まで同じです。

客感的に見れば正しい、でも悔しい。記憶の奥底にある苦い思い出が蘇った今回の選考でした。