フィギュアスケート団体戦が終わって表彰式を楽しみにしていて、録画予約もしていたら突如中止。その段階では「法的手続きが必要」という説明だったので、誰かの年齢制限、国籍問題、採点ミス??いろんなことがよぎりまして、本当気が気でなかったです。日を追うごとに全容が伝わってきてROCのカミラ・ワリエワが12月のロシア選手権後のドーピング検査の検体ふたつのうち、「サンプルA」から禁止薬物「トリメタジジン」が検出されたことが世界反ドーピング機関(WADA)より2月7日報告があったことから騒動に発展しました。
この問題、何がややこしいかというと
・もうひとつの検体「サンプルB」はどうやら陰性
・陽性反応を示したことに対して結論が出るまで
暫定的に五輪参加資格停止にするという措置をRUSADA
(ロシア反ドーピング機関)が決定、公表したこと
これに対してROC側がそれに異議を申し立て、RUSADA(ロシア反ドーピング機関)規律委員会は9日に処分を解除。その解除に対し、IOC(国際オリンピック委員会)とISU(世界フィギュアスケート連盟)がCAS(スポーツ仲裁裁判所)に提訴し、女子シングル競技前日にCASより「ワリエワの出場を認める」という判断となりました。
いくつ外郭団体があるのよ。。。。簡単にいうと
ドーピング行為の白黒はっきりしないけど疑いがあるので競技参加はやめてね(RUSADA)→いやだ(ROC)→なら出ていいよ(RUSADA)→どういうこと??(IOC、ISU)→だって結論出てないんでしょ、未成年だし、せっかくだから参加しなよ(CAS)という感じ。
「未成年や保護云々いうなら中途半端な状態はなく、結論が出てから公表してよ」
というのが私の一番の言い分です。結局超がつくお役所仕事なのでこの内容の結論が出るのは恐らく半年先になります。現にちょうど東京五輪のドーピング違反でメダル剥奪の記事が女子シングル競技中に記事になりました。
未成年保護を言いながら名前が全面に出てしまっては保護もへったくれもありません。今はSNSも発達していますので、好奇の目が一斉にワリエワの元に集まるのは想像できます。私はそこに対しての雑な対応に憤りを感じます。処分基準のエアポケットに入ったことが話をややこしくしているとは思いますが「疑わしきは罰せず」のCASの判断は私も妥当と思います。ドーピングがなぜダメなのかは今は問うべきところではないです。
未成年のドーピングでもうひとつ思い出すのがシドニー五輪(2000年)の体操、ラドゥカン選手の騒動です。こちらも10代、16歳の時のものです。
この騒動は後日「ラドゥカンは潔白だった」となりました。つまり「濡れ衣」だったのです。金メダル剥奪は見せしめ的に行われたということ。このことをまず思い出したので、白黒がはっきりするまでは事を荒立てないで欲しいなと思っていました。なのでこの件に関して私はTwitterでは一切リツイートもいいねのアクションをしませんでした。
一方、状況的には「クロ」に近いのかな。団体のメダル授与式を意地でも行わなかったことが示唆しています。ワエリワがロシア以外の国の選手だったら即出場取り消しだったのかな、「大国ロシアの選手だから」「共産国家の中国開催だったから」「(リメハンメル五輪やソルトレイクシティー五輪のように)他のニーズを刺激する狙いがあったから」出場続行になったのかなというのは想像がつきます。実際日本のワイドショーは自国の選手よりも時間を割いていたようです。もし、北米勢が優勝争いをする選手を擁していたらもっと騒ぎが大きかっただろうな。
ロシアのフィギュアスケート選手は旧ソ連時代に「この選手ドーピングをしていたのでは?」という疑わしい事例が少なからずあります。ロシアになってからも時々検査に引っかかり大会参加禁止処分を受けている選手もいます。組織的にも国全体が既に制裁中なのでやはりそうなの??という思いもありましたし、女子選手についてはバンクーバーまでは一人か二人は強い選手がいるけどメダル争いはほとんど関われなかったのに自国開催であったソチから急激に強くなった不自然さはずっと感じていました。それもあり私のソチ以降の、特にエテリチームのロシア選手へのコメントはあまり好意的ではないと思います。というかコメントほとんどないかも。その一番の理由はベースの滑りがそんなに良くないのにジャンプが異様に目立つという構成が、どうにも好きになれなかったからでした。私のフィギュアスケート落ちのルーツはカリガリー、伊藤みどりさんです。みどりさんは天才ジャンパーですが、山田組でもあるので滑りがものすごく早く、上手、スピンも早く軸も綺麗でスケートそのものが本当に素晴らしい選手でした。本来そのような選手が、演技が好きなので今のエテリ組はどうにも自分の嗜好に合わないというのが本音でした・・・・。
これを機会に、スポーツとしての正しい方向に進んでくれれば。女子選手、魔の19歳というのがあってここで一度ジャンプが飛べなくなります。過去見ても日本選手もここでかなり脱落しています。でも、そこを我慢して正しいトレーニングをすれば年齢に見合った筋力はそれなりについてスケーティング技術が向上して、ジャンプの調子も上がってきます。
何度でも言いますが、後の人生の方がずっと長いです。刹那的に短絡的に結論を出す事なく、己のためにスポーツをする事を望みます。20代が本来一番選手として美しいのだから。