Minato's memo

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2022北京五輪(1)羽生結弦VSネイサン・チェン

ここ数年では間違いなく最高の好敵手といえる二人、羽生結弦選手とネイサン・チェン選手、同じ試合に出た回数はいうほど多くないのが少し残念です。今季は世界選手権を残していますが、もうそんなにない対決を最大限楽しむために過去のプログラム構成を比較してみました。

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ヘルシンキワールドです。ネイサンはこの大会まで「5クワドを飛ぶ」「出る大会出る大会最高スコア更新」という勢いでした。ただ、この頃ネイサンは3Aを苦手としていて、必須項目であるアクセルでスコアを落とすという内容でした。この年も既にネイサンは優勝候補と挙げられてましたが、結果は表彰台ならず。一方羽生選手は怪我と病気が多くて、毎年違う意味でヒヤヒヤでした。ジャンプの種類を増やさなくてはという焦りもあった頃かもしれません。今となっては希少なSPで4Loを成功させています。4Loは難しいジャンプですがアクセルが大得意な羽生選手にとってはエッジ系は言うほど苦になるジャンプじゃないようですね。

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四年前の五輪、平昌大会です。これは羽生選手の「僕は五輪を知っている」という言葉が重い。ネイサンは大会に入ってから江綾アイスアリーナの氷を掴めず練習からかなりナーバスだったとのことです。で、SPは確か4Fから難度を落として4Tで、それでもミスがでてしまいました。世界大会の会場は特設リンクであることが多く、それはエッジ系ジャンパーにやや不利なことが多いんですが、五輪はプラス、ショートトラック兼用になるのでコンディションが本当難しい。同じ五輪でも北米の会場だとそこまで影響は出ないのですが、ユーロ開催だと相当荒れます。特に男子はその傾向が強いです。前回ソチ大会の経験(結構酷かったらしい)があった羽生選手だから平昌は本人のコンディションはともかく、ほぼ実力通りの出来でした。でも、怪我の原因だったルッツは怖かったな。尚、ネイサンはこの大会以降、フリーでは1位をキープし続けてましたが、今季のスケアメで久しぶりに2位、びっくりな出来事でした。

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2019年さいたまワールド。羽生選手はまたも怪我明けでの大会。羽生選手のコメントが出ていて、3月のさいたまスーパーアリーナの氷は本当に厳しいようです。2014年さいたまワールドの時もSPでミスがでています。ネイサンはSPで頻繁にジャンプの順番を入れ替えますが、この時は苦手を克服しつつあった3Aを最初にしています。構成に戦略性が出てまして、フリーでの構成、エッジ系はアクセルとシークエンスの3Sのみです。

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2019〜2020シーズン、羽生選手の皆勤賞なるか??でしたがワールドが中止。なのでGPFでのスコアです。羽生選手はこの年を最後にGPSは出場しなくなるのでは?と予想していましたが、その通りになりました。パラヴェーラは常設のスケートリンクです。スコア差はこの大会が一番大きく出てますね。40点差。ネイサン、絶好調だな〜という印象とスケーティングが格段に良くなってきて、SPでも110点がデフォルトになってきてます。

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2021年、ユーロストックホルム大会。気づけばずーっとユーロ開催です。新型コロナウイルスの影響で国際大会がほとんど開催されず、一発勝負だった大会。ネイサンが久しぶりにSPでミスをしています。このあたりが戒厳下での渡航&ユーロ開催&特設リンクの氷とナーバスな状況での試合になったのかなという印象です。一方羽生選手はFSのブレーキが印象的でしたが、SPの方も今見るとレベルの取りこぼしがあるので全体的に調子は良くなかったのですね。全日本の出来だったらどんなスコアになったんだろう?

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国別対抗戦での対戦は珍しい。ネイサンがSPで4Fをトライして成功させています。全体的に二人とも構成を落としていますが、得点差は10〜15点。どの大会を見ても大体そのくらいなので、その点差をどう埋めていくのかが見どころのひとつです。

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直近のスコア。羽生選手の「4A」を含んでもBVで約15点差あります。普通の実施ならネイサン、と言うしかないのですが、波乱があるとすればネイサンが少し会場状況にアジャストするのが苦手であるという点。SPは今の所最高難度での構成ですが、多分4Fは4Lzに、以下4T+3Tに変えてくる事になるのでは。一方羽生選手はSPはもう構成をいじらないと思うのでFSで構成を上げてくるかどうか。可能性としては4Sが2本になるとか、4Loの投入ですが、どちらも鉄板というジャンプではないのでプログラムの完成度勝負になるのかなと思います。少年ジャンプのような展開の二人、本当見ていて「キャプテン翼」の翼VS日向くん的様相ですが、ベストな体調で二人とも臨んで欲しいなと思います。