全日本フィギュアの段階で日本女子の代表に一人は3A(トリプルアクセル)を飛ぶ選手が入って欲しいなと、思っていたら今回は2人になりました。初めてですし、進化を感じます。フィギュアスケート観戦の原点である伊藤みどり選手、彼女が作り出した道を継続して輩出し続ける日本と、世界というかロシアの進化の度合い。アクセルジャンプに関しては日本とロシアは拮抗しているといえます。ジャンプの王様、アクセルと女子フィギュアの歴史です。
伊藤みどり(1992)
ソチの荒れたリンクの話は有名ですが、アルベールビルも実は結構ひどかったようです。みどりさんも現地入り直後は絶好調だったんですが、だんだん調子を落として、最終的には風邪を引いてました。OP(当時のSP)の演技、勢いがなくてあっと思ったらルッツの軌道に転倒と、テレビの目の前で起こったことが信じられなかったし、その後震えがきました。 FS、ダブルになったルッツ、3Aの1回目は転倒ときて、リカバリーするジャンプの位置で何を飛ぶか?と思ったらアクセルの起動、そして成功。そこからは本来の天才、伊藤みどりの姿でした。今見ても圧倒的なスピードと高さ。その完成度が「芸術」です。ちょうど30年前になります。
トーニャ・ハーディング(1992)
色々ありますが、この頃はスケーターでしたので。アルベール・ビル五輪では実施はしたものの失敗。力強さのあるジャンプでした。映像は前年の1991年ワールドです。
ここから何と17年、年月が空いてしまいます。
競技会では以下、
中野友加里(2002年GPシリーズ スケートアメリカで認定)
リュドミラ・ネリディナ(2002年GPシリーズ スケートアメリカで認定)
と続きますが、五輪での成功は2010年バンクーバー五輪まで待たないといけませんでした。
浅田真央(2010・2014)
3AをSPとFSで3度、五輪での浅田選手は涙涙なのですが、個人的にバンクーバーSPの「仮面舞踏会」のノーミス嬉しすぎるぴょんぴょんジャンプが忘れられません。可愛かった。何故か五輪の時だけタラソワさん振り付けで(ソチSPはローリー・ニコル)重厚感がありますが彼女のエアリー感ある雰囲気を最大限生かすプロを五輪で見たかった気持ちもあります。
Mirai Nagasu(2018)
五輪での成功者はまたも日系、というか両親は日本人長洲未来選手。浅田さんにレクチャーを受けての3Aのトライ、成功でした。バンクーバーに出場して、ソチは出場できず、平昌で再び代表と荒川さんを彷彿させるストーリーですし、20代でも高難度ジャンプは習得できるという希望を与えてくれるような素晴らしい演技でした。
今回の五輪では恐らく3Aを飛んでくるだろう選手です。
・カミラ・ワリエワ
・アレクサンドラ・トルソワ
・樋口新葉
・河辺愛菜
・アリサ・リウ
・ユ・ヨン
まだまだ多く無いですが、王様ジャンプの成功を祈りたいと思います。